2017−18シーズンのセリエAが開幕した。ユヴェントス、ナポリ、ミラン、インテル、そしてローマなど、スクデット争いに有力とされるビッグクラブは、揃って初戦を勝利で飾った。ただラツィオだけが、ホームでセリエBから昇格してきたSPALにスコアレスドローという結果となった。そして今シーズン、セリエAでプレーする唯一の日本人DF長友佑都はインテルでまさかのスタメン出場し90分間フルでプレーした。そんな今シーズンの長友を占ってみたい。

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 昨シーズンまでインテルの指揮官だったステファノ・ピオリ監督が率いるフィオレンティーナが開幕戦の相手だった。決して侮れない。そんな中、インテルのルチアーノ・スパレッティ監督が左サイドバックに指名したのは長友だった。確かにプレシーズンマッチで最も多く左サイドで出場していたのは長友だったろう。しかしイタリアメディアがおおよそ予想したのは、夏のメルカートで移籍してきたブラジル人ダルベルトだったのだ。

 スパレッティ監督はその理由を次のように語っている。「ダルベルトはパワーとクオリティがある。ただディフェンスの面でもっと成長しなければならない」。つまり8月に入ってからチームに合流したダルベルトは、まだスパレッティ監督の戦術を完全に理解しておらず、またセリエAでプレーさせるには不安が残ったということだろう。

 長友も試合後、ミックスゾーンで「スパレッティ監督? 指示がめちゃくちゃ細かい。体の向きから……。相当厳しい。攻撃のポジショニングも厳しい。要求がすごい高い」と細かなサッカーを指導するタイプだと明かした。フィオレンティーナ戦ではMFジウ・ディアスのマンマークに付き78分には、ゴール脇からのシュートをカットして外に出すクリアで危機を回避した。ただいくつかのミスもあった。

 右サイドバックを務めたのは昨シーズンから完全にポジションを獲得したダニーロ・ダンブロージオ。スパレッティ監督はこの日の長友のパフォーマンスを「今夜は素晴らしいゲームをした。ダンブロージオと同じようによくやった。カバーし押していった。もし右サイドが攻撃に上がった場合、逆サイドは守備に残る。これらのことをバランスよく確実にこなした」と、基本的なシステムをこなした2人を称えた。

 インテルはDFの選手の放出が滞っていて現在、サイドバックの選手が6人と飽和状態だ。同監督は「ピッチ外にいる(選ばれなかった)選手たちはプレーできない点ついて審判を下す権限はない」と断言した。21日には、バレンシアのポルトガル人DFジョアン・カンセロがインテルでメディカルチェックを受け、正式契約がほぼ確実となっている。ますます激化するサイドバック争い。今のところ、同監督の信頼を勝ち得てはいるものの、長友の新しい戦いはまだ始まったばかりだ。これまでのセリエの経験と、ただひたむきに努力する精神を生かして精進するしかない。

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