日本代表の6大会連続6回目の本大会出場に向け大詰めを迎えた、サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会アジア最終予選。B組首位の日本は、ホームでオーストラリア戦(31日・埼玉)、アウェーでサウジアラビア戦(9月5日・ジッダ)と上位決戦に挑む。1勝すれば出場が決まるという正念場で、日本代表に故障者が続出。24日の代表メンバー発表を前に、ハリルホジッチ監督が頭を悩ませている。【大島祥平】

 W杯出場権は各組上位2チームが獲得でき、日本は残り2試合。1勝もできないと、サウジアラビアとオーストラリアの結果次第で3位に後退し、A組3位とのアジアプレーオフ、北中米カリブ海4位との大陸間プレーオフを勝ち抜かなくてはいけない。

 「試合に出ていない、また試合数が少ない選手を、次の試合で使うのは難しい」。19日、視察に訪れたJリーグの会場でハリルホジッチ監督がうなった。今回は集合から試合までの期間が1週間足らずと短く、状態が悪い選手に調整の時間が少ない。

 ダメージが大きいのが大迫(ケルン)の負傷だ。7月末に右足首を負傷し、20日のドイツ1部リーグ初戦もベンチ外。岡崎(レスター)が2試合連続得点と好調なのが救いだが、主力1トップとして台頭していた大迫を欠けば戦術面でも選択肢は狭まる。「経過は良好だが、試合に間に合うかは別問題」と表情を曇らせた。

 メキシコに移籍した本田(パチューカ)は右足痛などで開幕5戦連続ベンチ外。「試合に出て試合勘を取り戻している、身につけている選手が次は必要」という指揮官の言葉からすると、状況的に厳しい。国内組でも、ともに試合で負傷した清武(セ大阪)、森重(FC東京)の招集は絶望的だ。

 一方、右膝手術からリハビリを経て復帰した長谷部(アイントラハト・フランクフルト)については、ハリルホジッチ監督が「膝が少し腫れているという情報もある」と心配したが、20日の今季初戦でフル出場。大黒柱となる主将の回復は心強い。左肩脱臼の香川(ドルトムント)は19日の初戦で後半41分から途中出場した。

 「来日後、いちばん難しい状況かもしれない」と語るハリルホジッチ監督。ドイツやメキシコにも代表スタッフを派遣して綿密に情報収集し、最終判断する。
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