0001YG防衛軍 ★@無断転載は禁止
2017/08/20(日) 17:20:13.80ID:CAP_USER9前節のプレスを以前のと比較をすれば次の様になる……。
以前:ボランチがボールに行くので「ボランチとセンターバックの間にスペース」が出来た
現在:センターバックもラインを上げているので「センターバックの裏にスペース」が出来る
となり、結局、スペースを使われ後手を踏む点で根本的な課題克服には至っていない。
プレスに行くなら、「ボールに行った選手がボールに集中できる様に周りの選手がカバーしてやる」という大前提の徹底が必要ではないか。染谷が行けば、カバーは恐らく下畠翔吾だろう。だが、下畠もマークする相手を持っていた。ならばどうするか?チームで磨いていかないといけない。
以前、プレスについて書いた際、「横のコンパクト」という言葉を出した。プレス時に、中央に壁を作る様にして、片側で相手に圧をかけるプレスのことだ。
この「横のコンパクト」を行う場合、実は、「縦のコンパクトさ」が失われるのではないか、という思いがある。それは、「横のコンパクト」を形成し、プレスに行くなら、従来の「前線―中盤―最終ライン」の三層ではなく、「前線―中盤前―中盤後―最終ライン」の四層の方が、都合が良いという考えだ。
布陣でイメージするなら、「3-1-4-2」や「4-3-3」等の、「インサイドハーフとアンカー」の組合せである。前線と中盤前(インサイドハーフ)でプレスをかけ、中盤後(アンカー)がプレスの間を抜けてくるボールを狙い、最終ラインの役目はカバーリングが多くなる様にする。中盤を二層にすることで厚みが増すのではないか。
つまり、「プレスの陣形は、(前線から最終ラインの)縦のコンパクトを意識すれば横に広がりやすく、(片側へ圧力をかける)横のコンパクトを形成しようとすれば縦に伸びやすくなる」となる。いずれにしても課題となるのは、プレスの背後のカバーをどうするか、だろう。
京都のプレス全体を観れば、縦と横のどちらに圧縮しようとしているかはある程度判る。もし、「横のコンパクト」を表現しようとするなら、10人全員の連動はより必要になるだろう。さて本編へ……。
サッカーは時間と共に変遷するが、その変遷を見るならGKの足技を観るのが解り易いだろう。
Jリーグが発足した1992年、バックパスを手で扱うことを禁じる、所謂「バックパス・ルール」が出来た。それもあり、Jリーグ発足当時はGKのキックミス、クリアミスが頻発した。こうしたクリアミスの珍プレーを記憶しているサポーターも多いだろう。それから25年ほど、今ではGKのキック精度も向上。左右の足で蹴ることも当たり前になった。今やGKはポゼッションやビルドアップの大事な戦力だ。
第24節・名古屋戦の前半、菅野孝憲(写真)は、降りてきたエスクデロ競飛王にボールを送り、リターンパスをもらうと下畠へワンタッチでパスを送った。なんでもない場面の様だが、このパス交換で、相手FWがエスクデロへ向かい、下畠をフリーにしたのである。菅野のパス交換が味方のフリーを作ったのだ。
これは昨年、石丸清隆監督が教えていた「相手を動かす」プレーである。それをフィールドプレーヤーではないGKが実践したのだ。今や、GKはここまで判断してプレーする時代になっている。
過去から現在を観て、そして未来へ、サッカーは果たしてどう変化していくか―。
こちらとしては、目に見えて進化していくのは「前線の守備力、そして、GKとDFの足元技術とパスワーク」だと思っている。
今現在、一歩先を行っているのは「前線の守備力」だ。相手の積極的な守備を観ても、相手FWの守備戦術と技術の向上が大きなポイントになるのではないかとみている(例えば、相手FWの中間ポジションの取り方。数年前よりも明らかに磨かれている)。
それに対し、「GKとDFの足元技術とパスワーク」は遅れをとっている。京都に限らず、最終ラインでの奪われ方を観ても、DFの技術不足やパスワークの未熟さが招いたものが多くなっている気がする。
近い未来、例えば次のワールドカップなどで、GKとDFが相手前線に囲まれても、それをかいくぐる技術とパスワークは、今見ているサッカーより数段上がっているのではないか。そう予想している。
京都のDF陣も意識して取り組んで欲しいと思う。
文:武田賢宗(京都担当)
https://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00036295/