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 将棋界最多の公式戦29連勝の新記録を打ち立てた中学生棋士、藤井聡太四段(15)が産経新聞のインタビューに応じ、連勝記録中の心境やタイトル獲得への意気込み、“難局”である高校進学への迷いなどについて率直に語った。(聞き手 中島高幸)

自己採点は…

 −−デビューからを振り返って、自分で採点するとすれば

 藤井「結果だけみれば本当にできすぎの数字かなという印象です。中身はきわどいことがほとんどで、はっきり悪くしてしまった将棋も多かった。(採点は)しづらいです」

 −−連勝記録を続けているときのプレッシャーは

 藤井「対局が始まってしまえば、盤上に集中するだけなので。連勝はいつか止まってしまうものなので、結果を気にして指す必要もないかなと思っていました」

 −−藤井四段の活躍で将棋人気が上昇。対局中の食事など盤外への関心も高い

 藤井「一棋士として仕事に注目しただけるのはうれしい。将棋そのものに興味を持ってほしい気持ちが強いですが、(食事も)入り口になれば」

檜舞台で羽生三冠と

 −−5歳で将棋を覚え、小学4年でプロ棋士養成機関の奨励会に入会しました。影響を受けた棋士は?

 藤井「子供の頃は谷川(浩司)先生の『光速の寄せ』にあこがれました」

 −−対戦したい棋士は

 藤井「羽生(善治)三冠ですね。非公式戦で対戦させていただきましたが、公式戦で勝ち上がって対戦したいです」

 −−(藤井四段が29連勝の新記録達成時)羽生三冠が「檜舞台で顔を合わせる日を楽しみにしている」とコメントを出しました

 藤井「私の頑張りにかかっているということなので」

 −−棋聖戦は現在、羽生棋聖が10連覇中。また、五番勝負のうち1局は愛知県豊田市で開催され、関連イベント「こども将棋大会」も開かれています

 藤井「(物心ついた頃から)ずっと羽生棋聖でした。(イベントには)小学3〜4年生ごろまで出場していました。なじみのあるタイトル戦です」

 −−最年少タイトル獲得の記録は、屋敷伸之九段の18歳6カ月です

 藤井「まだまだ実力は及ばない。実力をつけて近いうちに舞台に立てるように頑張りたい」

 −−今年で最後となった電王戦は人工知能(AI)側の勝利で終わりました。対局したいと思いますか

 藤井「勝負する関係ではなくなっていると思います」

悩ましい進学問題

 −−1日のスケジュールは

 藤井「学校があるときは、午前7時前頃に起きて午後4時半頃に帰宅します。たぶん、学校での滞在時間は僕が一番短いんじゃないかと」

 −−好きな教科は

 藤井「数学と地理。一時期、首都とかをたくさん覚えていました。数学は理論的に答えが一つに定まるので、そこは自分に合っていると思います」

 −−高校進学について。羽生三冠や谷川九段は進学しましたが

 藤井「本当にまだ決まってないです。高校に行くとなると時間的な制約があるので、そのあたりがどうか…」

 −−囲碁の井山裕太六冠と雑誌の企画で対談し、刺激を受けたとのこと。井山六冠は高校に進学していません

 「勝負に臨む気持ちや、進学についても本当にいろいろと勉強になりました」

     ◇

 【プロフィル】藤井聡太(ふじい・そうた) 平成14(2002)年7月19日生まれ。愛知県瀬戸市出身。将棋棋士。
杉本昌隆門下。5歳から将棋を始め、24(2012)年9月に奨励会入会。昨年10月1日に14歳2カ月でプロ入り。
加藤一二三・九段の14歳7カ月を62年ぶりに更新した。
同年12月24日の公式戦デビューで加藤九段に勝ち、公式戦出場と公式戦勝利の史上最年少記録を更新した。名古屋大学教育学部付属中学3年。