リーグ戦2得点と攻撃陣をけん引する奥田晃也(写真)。入団当初の印象は、“運べる・キープできる”。この頃はまだ怖い選手とは言い難かった。だが、ここに来て彼の頭の中には“得点”という二文字が鮮明に浮かび上がる。

「前にいる以上は結局点を取らないとダメ。いまはボールのもらい方だったりクロスの入り方だったり、シュートの意識を持っている。それで怖い選手になれればいいかな」と奥田晃。この考えに至るまで上手くいかないことや、マークが厳しく何もできない試合も多々あった。そんな葛藤があった中、樋口靖洋監督にこんな言葉を掛けられた。

「彼には中断前の7月の頭に話をした。怖い選手かどうかというと、俺はまだだと思う。ボールを運べるし、奪われないけど、お前のプレーはシュートで終われているか、ラストパスで終われているかというと、まだ10回に2、3回。それでは怖い選手になれない。それが10回に5回、8回になっていけば、怖い選手になる。そうしないと一皮剥けないぞ」(樋口監督)。

そして少しずつ“得点”への意識が深まり、この中断期間の練習試合などでは得点、あるいはアシストを挙げてきた。「ゴールに向かう意識は上がった。最初にパスじゃなくてゴールを見るようになった。大学のときに比べたらゴールも見られるようになった」。今季YS横浜に加入してから約半年間が経ち、ようやく変化が表れ始めてきたようだ。

だが「成長している?」という問いには頷かない。「成長していればいいんですけど……。こればっかりは分からない。だから結果が出れば」と話すとおり公式戦での活躍はまだまだ足りない。だからこそ後半戦一発目の今節で自らの手応えがほしいところ。

その相手となるのは現在3位と格上の栃木。確実に難しい試合を強いられる。さらには堅い守備網を敷いてくるため、先手を取ることが勝利への近道になるだろう。そこで期待したいのは奥田晃の推進力やキープ力。加えてゴールへの執着心で黄色い牙城に風穴を空けたい。そしてYS横浜の今季ホーム初勝利は背番号15が手繰り寄せる。

文:澤真輝(YS横浜担当)


明治安田生命J3リーグ 第19節
8月19日(土)18:00KO ニッパツ
Y.S.C.C.横浜 vs 栃木SC

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