日本ハムの新スタジアム構想が凄い!「入場料無し」「弁当無し」の衝撃。 (Number Web) - Yahoo!ニュース
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8/16(水) 8:01配信

 25年前の夏、1人の高校球児が千葉県大会予選を戦っていた。甲子園を目指して……。いや、正確には目指していたのかどうか、本人でもわからなかったのである。

 「周りのチームや選手たちを見ていると『ああ、自分の高校では甲子園には行けない』と、わかってしまったというか……。だから、投げていても全然、甲子園を想像できなかったんです」

 前沢賢。とある高校にピッチャーとして推薦入学した。エースとなり、ベスト16まで進んだ。だが、この投手の悲しさは周りが見えすぎて、壮大な夢を描けなかったことである。

 卒業後、とある大学にやはり野球推薦で入った。同期にはいわゆる「甲子園組」が大多数だったが、実力では自分の方が上だと感じることもあった。なぜ、彼らは甲子園に行けたのか?

 「彼らに聞いたら『だって甲子園に行くつもりで高校に入ったから』と……。僕とはそこが決定的に違いました。つまり自分が想像できないことは達成されない。そういうことです」

北海道旅行の目標になる、壮大なスタジアム構想を!
 その青年は今、北海道日本ハムファイターズ事業統轄本部長として、新球場構想のプロジェクトを担っている。今年6月29日、新スタジアムのイメージ図を発表した席で「オンリー・ワンか、ナンバー・ワンか。北海道の皆様の誇りになるような球場にしたい」と語ったのが前沢だった。

 「北海道を象徴するような文化であり、街づくりの中心となるようなものができれば、自然とオンリー・ワンになるし、世界ナンバー・ワンになると思っています」

 例えば、北海道へ旅行に行く人に「何のために?」と尋ねると、こう答える。

 「そりゃあ、美味しい海産物と◯◯スタジアムだよ」

 これが前沢の言う文化としての球場であり、街づくりの中心と成り得るボールパーク構想である。そして、そのためには既成概念を覆すような発想が必要だという。

「入場料はいらないと思います」
 例えば現在、どの球場でもゲートを入る際に入場料が発生する。いわゆる「チケット代」だが、前沢はこの大前提に首をかしげる。

 「入場料はいらないと思います。入りたい人はどなたでも入ってもらえばいい。そして、座って野球を観たい人だけ『座席料』を払っていただけばいいのではないでしょうか」

 これまで多くの球場を視察してきた前沢は米大リーグ・カージナルスの本拠地ブッシュ・スタジアムを訪れた際、野球を観ていない人の多さに驚いたという。

 つまりその人たちにとっては野球を見るのではなく、スタジアムに来ることが目的なのだという。

 「アメリカでは野球が文化なのではなく、スタジアムが文化なのだと感じました。もちろん野球に敬意を払うという前提で、野球そのものを楽しみに来る人を増やしたい」

 公開されたイメージ図を見ると、スタジアムとその外にあるショッピングモールや広場、レストランには境がないように見える。つまり、収容3万というのは座席の数であって、実際にはその数倍の人がスタジアムに入れるわけだ。