すでに山本一郎氏(https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20170813-00074485/)がヤフー個人で煽り始めたが、夏の甲子園で手首を骨折していながらホームランを放った前橋育英の選手の活躍を美談に仕立て上げた朝日新聞の記事に対する批判的な論調が静かに広がっている。

“手首を骨折していても本塁打 前橋育英、信頼応えた4番:朝日新聞デジタル(http://www.asahi.com/articles/ASK892D0YK89PTQP00T.html)”
“ノンポリ”の経済人たちも違和感を表明

朝日新聞への批判というと、政治関係の記事を中心に保守的な人たちからのものが目立ち気味だが、「護憲」と並び朝日の一丁目一番地のコンテンツである「高校野球」を巡る記事への批判に関しては、必ずしも右派的な人たちばかりではないことに注目したい。

たとえば、ここ最近テレビ露出もあって注目度が高まっている人気投資家で「ふっしー」の愛称で知られる藤野英人氏は昨日(13日)のFacebook(https://www.facebook.com/hideto.fujino/posts/10156763272438438)で次のように疑問を呈している。

“これって「良い話」なのかなあ。
気合いや根性が大切なのは知ってる。
でも、打席に立たせてはダメだろう。そして美談にしては。それも、人権を大切にしてる朝日新聞でしょ。
彼は頑張ったよ。うんうん。彼は非難しない。すごいと思う。「いるだけでいい」なら、控えでいいと思う。”

実は私も別の人が問題の記事をシェアした際にふっしー氏と同様のコメントをしたところだった。特に、日頃の紙面で人権尊重を主張しているリベラルの朝日新聞だからこそ、酷暑での連投といった大会の運営問題を劇的に改善できないでいることについて、まさに人権報道における「ダブルスタンダード」だと指摘した。

すると、数々の著名企業の経営再建でおなじみの有名コンサルタント氏をはじめ、何人かから「いいね!」を頂戴したのだが、藤野氏も、そのコンサルタント氏の方々も含め、この問題に関心を寄せているビジネス系の人たち(経済人とでも呼びましょうか)は経済政策以外での政治的発言はあまりしないし、ましてやネトウヨ的な強烈な右派的言動をしているところは見たことがない。

おそらく、彼ら「経済人」は、政治家に対しては経済景気政策をしっかりやってくれという原則があって、割とノンポリ、もしくは穏健な保守・リベラル志向な人たちではと察する。なによりもビジネスの一線で成果を出しているだけにリアリストであり、与党が自民党であろうと、民主党であろうと、現実的に結果を厳しく求めるタイプだろう。

今回の朝日新聞の高校野球報道のあり方、ひいては大会の旧態依然とした運営スタイルについては、政治的な立場を問わず、厳しい目を向けられていることを顕在化したのではないだろうか。