■流通経済大学 “黄金世代”の同期が、ピッチ上で火花を散らす

 ここ4試合を無敗で乗り切り、9勝9分8敗と星を五分以上に戻した14位の京都と、第19節〜第21節以来の連勝で首位湘南の後ろにピタリと付けている2位の福岡が対峙する第27節。この一戦からは流通経済大学が誇る“黄金世代”の2人の再会にフィーチャーしたいと思います。

 得失点差プラス24。2位に勝ち点でも9ポイント差を付け、圧倒的な成績で2度目の関東大学1部リーグ優勝を達成した2008年の流通経済大。その結果もさることながら、この代が今でも語り継がれているのは、何と同じ学年から11人ものJリーガーを輩出したからです。

 新潟に三門雄大、京都に染谷悠太、名古屋に平木良樹、鹿島に宮崎智彦、神戸に楠瀬章仁、熊本に山下訓広と西弘則、水戸に加藤広樹と保崎淳、鳥栖に池田圭、岡山に椎名一馬。この11人が各クラブのユニフォームを着用して同時に開いた“入団報告会”という名の記者会見は、当時も大きな注目を集めたように記憶しています。その中でも大学ナンバーワンボランチと称されていた三門と、リーグのベストイレブンにも選出されていた染谷は、即戦力としてそれぞれ新潟と京都というJ1のクラブでプロキャリアをスタートさせました。

 2年目からレギュラーに定着した三門は、ゲームキャプテンを任されるなど、新潟の主軸に成長した後、2014年からは2シーズン半に渡って横浜FMでプレー。昨シーズン途中に残留争いにあえぐ福岡に完全移籍で加わり、今シーズンはキャプテンとして全試合にスタメン出場を果たし、J1復帰を狙うチームを牽引しています。一方の染谷は大木武監督に率いられ、その特異なスタイルでJ2を席巻した2012年シーズンの京都で定位置を掴むと、2年連続で昇格プレーオフにも出場したものの昇格はならず。その後はこちらも2シーズンをC大阪で過ごし、昨シーズンから京都に復帰。若い選手の多いチームにあって、ベテランらしい仕事を披露しています。

 2人が初めてリーグ戦で対戦したのは2010年9月19日のビッグスワンで、揃って終盤に途中出場でピッチに解き放たれた一戦は1−1のドロー。また、今シーズン1度目の対戦は3月12日の第3節。両者がフル出場を果たしたゲームは福岡が2−1で勝利を収めており、相性で言うと、ここまでは三門の“1勝1分”という数字が出ています。現在は好調をキープしている京都と福岡の対戦ですが、染谷と三門の再会にも期待しつつ、今回は福岡がアウェイで粘り強く勝ち点3をもぎ取るという「2」を予想したいと思います。