2017年08月01日 20時21分

 歌手・保科有里(55)が1日、東京・文京区の文京シビックホールで、デビュー25周年記念コンサートを開催した。

 30歳で金沢から上京し、作曲家の故三木たかしさんに弟子入り。「歌は40歳を過ぎてよくなるんだよ」と言われ、ひたすらのどを磨いた。三木さんには「僕は政治力は使わないよ。でも、いい曲は書く。僕の曲で売れなかったら金沢に帰りなさい」と叱咤激励され、歌手の道を突き進んできた。

 CDが売れず、師匠が(2009年に)死去して途方にくれる中、三木さんの「ジャンルを偏らせるな。いつも明日死ぬと思って歌え」という言葉を胸に、常に「先生、いかがですか」と天に問いながら進んできた。縁あって「同窓会コンサート」の夢グループに出会い、小林旭(78)、小林幸子(63)、故松方弘樹さんと交流を持つようになった。

「幸子さんとは性格が似ており気が合う。先日はお宅におじゃましてお酒を頂いた。ためになる話をたくさん聞けた」。その小林は来年、デビュー55周年を迎えるが「ここまで25年よくやってきた」という保科にとって永遠の目標だ。

 歌手として自信を持てたのは、6年前の東日本大震災の時。被災地を訪れ、無名の自分の歌に涙を流してくれる演歌ファンに心を打たれた。「テレビでスターになる歌い手もいるが、私は誰かを勇気づけるために歌手になったんだと、改めて気づかされた。人のために何かをやれるのが楽しい。誰かのためにならなければ、歌手になったかいがない」

 その際、夢グループの通販商品であるカラオケマイクを差し入れたところ、大好評だったという。「つらい時に心を癒やされるのが歌。ストレスのたまる避難生活には音楽が大事なのだとよく分かった」と訴えた。

 そのため、先日の九州北部豪雨の被災地に、500曲入りワイヤレスカラオケマイク5台、冷感寝具100枚を差し入れるという。さらに、この日は会場で募金を募り、義援金を届ける予定だ。

 コンサートには三木さんの盟友で作曲家の荒木とよひさ氏(73)が駆けつけ、思い出話に花を咲かせた。

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