クラブユース選手権準決勝、久保が左サイドから切れ込む形で先制点導く

「2回ともパスだったので、思い切って打ってみようかな、と」。このシンプルな言葉が、久保建英の非凡さを象徴するのかもしれない。第41回日本クラブユースサッカー選手権(U-18)準決勝、川崎フロンターレU-18対FC東京U-18が行われ、2-0で勝利したFC東京U-18が連覇に王手をかけた。注目の16歳FW久保建英は得点こそなかったものの相変わらずのプレービジョンの広さを見せた。

 昨年の同大会のリマッチとなった準決勝。序盤は昨年1-5と大敗を喫した川崎がボールを保持する展開。FC東京は188センチの長身FW原大智のヘディングの落としから久保がシュートに持ち込むシーンがあったものの、前半は川崎がやや押し気味だった。この展開にFC東京の佐藤一樹監督が「後半にもう一つ、二つギアが入らないと」と語っていたが、試合が動いたのは後半13分、久保が左サイドから切れ込む形からだった。

 冒頭の久保の言葉通り、この日は先制点のシーンまでに二度、左サイド深い位置をドリブルでえぐっていた。その両方とも最後の選択肢はラストパス。5月に行われたU-20ワールドカップ南アフリカ戦でも同じような形からMF堂安律の同点ゴールをアシストしたこともあり、得意の形の一つと言えるだろう。

 しかし久保は、相手が警戒していると判断するやいなや“次の一手”を臨機応変に変えた。角度のないところからクロスかと思わせ、痛烈な左足シュート。これはGK早坂の好セーブに遭ったが、こぼれ球を原がダイビングヘッドで叩き込み、FC東京が先制に成功した。

成長を見せる久保「楽しい」

 これで勢いに火がついたFC東京は、1分後に後方からのロングボールに対して抜け出た原が冷静にダイレクトでのループシュートを決めて2-0と突き放し、2年連続となる決勝切符をもぎ取った。チームが見せた冷静な戦いぶりに佐藤監督は「一番良い席で観戦させてもらいました」と冗談めかしながら笑顔で話した。

 久保も「昨年より試合に多く絡めていて自分の成長を感じていますし、メンバーが変わってフレッシュなサッカーができていて楽しいとも感じています」と手応えを話した。先日、スペイン紙「スポルト」では、かつて下部組織に所属したバルセロナへの復帰が噂される久保に対して、宿敵レアル・マドリードが強奪を狙うと伝えられた。

 DF橋岡大樹らトップチーム登録者も在籍する浦和レッズユースとの決勝で、久保は再び観客を驚かせるようなプレーを見せてくれるだろうか。

フットボールZONE 8/1(火) 10:32配信 
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