老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えて建設する明治神宮外苑の再開発は、着工順序を当初予定と逆転させたスケジュールで合意できれば、野球場もラグビー場も解体期間の空白をなくすことが可能となる。当初の計画では、ラグビー場の建て替えまで5年以上も使用できない整備期間を要したラグビー関係者にとっても、朗報となる。

 東京都が明治神宮や日本スポーツ振興センター(JSC)などと調整を進める新たな計画では、新ラグビー場は五輪前に更地となる神宮第二球場を中心に整備を進め、入れ替える予定だった神宮球場は、その後に一部の拡張で使用するにとどめる。このことで、2025年度末に完成予定だった新ラグビー場の完成時期が前倒しできる。

 現在のラグビー場はその後に取り壊すため、使用できない期間も生じない。1947年に完成した秩父宮ラグビー場は、日本代表や大学、社会人のトップリーグなどで使用されるラグビーの中心的な競技場で知られ、再開発の時期も競技日程への影響を抑えられることになった。

 当初は先に建て替えられる予定だった神宮球場も、新球場が整備されるまで解体されず、本拠を置くプロ野球ヤクルトの主催試合や、東京六大学、東都大学リーグの開催は継続して可能となる。

 再開発では、周辺にテニスコートや野球の室内練習場などを集約したスポーツ関連施設や、民間オフィスや商業施設が入居する高層ビルも建設される予定。合意後に計画が順調に進めば、都心のにぎわいを創出するスポーツを中心とした一大拠点が誕生する。(東京五輪取材班)

2017.7.28 10:30
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