敗者が勝者に贈る千羽鶴、県高野連が自粛要請
2017年07月22日 17時57分
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昨夏の県大会3回戦で、勝った磐城の選手(右)に千羽鶴を手渡す福島北の選手(2016年7月16日、いわき市のいわきグリーンスタジアムで)

 フェアプレーと友情の象徴のようなシーンが、球場で見かけなくなった。

 福島県高校野球連盟は今大会から、敗れたチームが勝者に千羽鶴を贈るセレモニーの自粛を呼びかけた。「自分たちの分まで甲子園に」。
必勝の願いを託す慣例イベントだったが、強豪校は千羽鶴の保管が負担になる上、次の試合に臨む選手らとの入れ替わりが遅れるなど、大会運営に支障が生じる弊害が指摘されていた。

 「足の踏み場もない状態だ」――。

 中通り地方のある強豪校では、相手チームから譲り受けた千羽鶴を用具室に保管している。夏の大会が終わると用具室は千羽鶴で埋め尽くされ、翌年正月のどんと焼きで燃やしている。
神社に持ち込む量は「軽トラック2台分」という。同校の監督は「思いが詰まった千羽鶴は大変ありがたい。ただ、量が多すぎて甲子園に持っていけない。高野連の判断も理解できる部分がある」と話す。