16日の函館2Rでサンシャワー(牝3歳、栗東・矢作芳人厩舎)に騎乗していた坂井瑠星騎手が落馬したことが、ファンの間で話題になっている。
なお、レースは坂井騎手が負傷したため急遽、黛弘人騎手に乗り替わって挑んだものの、後方のまま見せ場なく最下位に敗れた。

幸い、坂井騎手は足関節捻挫、右でん部と腹部の打撲と大きなケガには至らなかったが、今回はレースや返し馬ではなく、パドックの段階で騎乗した際に落馬するという珍しいケースだった。
つまり、レースに向け、初めて騎手が騎乗してすぐに振り落とされたということだ。

相手が3歳牝馬と"年頃の乙女"ということもあって、見方によっては物凄い嫌われようである。
というのも、坂井騎手がサンシャワーに振り落とされてしまったのは、実は今回が3度目。

サンシャワーがデビューして以来、坂井騎手は6度の騎乗機会のあるいわば主戦騎手だが、その半数で落馬に見舞われている。
1度目は昨年の8月。サンシャワーにとってはデビュー2戦目であり、坂井騎手と初コンビを組んだレースだった。

パドックの段階では順調だったが、レース前の返し馬の段階で坂井騎手が振り落とされて放馬。
幸い、スタッフに取り押さえられたサンシャワー、落馬した坂井騎手共に異常はなし。
馬体検査の後にそのままスタートしたが、レースは果敢に逃げたものの5着に敗れている。

2度目は今年の春だったが、1度目と同じく返し馬で坂井騎手が落馬し、サンシャワーが放馬。
この時も馬体検査の後にそのままスタートしたが、肝心のレースでは6着に敗れている。

幸い、この時も人馬とも異常はなかったが、サンシャワーとしてはキャリア6戦目、坂井騎手とのコンビも4戦目だったが、2人の間柄に"進展"は見られなかったようだった......。

そして3度目の落馬となった今回。過去の苦い経験から坂井騎手としても、相当に気を遣っていたはずだ。
しかし、今回は返し馬ではなく、パドックでの落馬。まさかの不意打ちであり、いよいよ乗った途端に振り落とされるという、人馬の"相性"としては目も当てられない展開となってしまった。

「サンシャワーが所属する矢作厩舎の馬だけに、坂井騎手としても日ごろから接する機会も多く、何としても乗りこなしたい馬でしょうね。
もともとうるさい面がある馬ですが、デビュー戦で騎乗した菱田騎手や、四位騎手、そして今回代打騎乗した黛騎手は"無事"に乗りこなしていることからも、厳しい見方をすれば坂井騎手の方にも問題があるのかも......。
というのも、坂井騎手はデビューから落馬が目立つ騎手なんですよね......昨年デビューしたばかりの新人ですが、たびたび落馬しているイメージがあります」(競馬記者)

昨年3月、JRAとしては16年ぶりの女性騎手となった藤田菜七子騎手らと共にデビューした坂井騎手。
1年目から25勝を上げる活躍を見せ、関西所属の騎手として新人最多勝を上げ、中央競馬関西放送記者クラブ賞を受賞している有望株だ。

今年もすでに昨年を上回る27勝(16日現在)を上げ、同期の荻野極騎手や木幡巧也騎手と共に同世代を牽引している存在でもある。
だが、その一方で昨年8月にはサンシャワー以外の馬でも返し馬で放馬してしまっており、同日に同じ騎手が2度放馬するのは非常に珍しいケースだった。

ただ当然ながら、サンシャワーの気性面に問題があることも確か。
坂井騎手としては、なんとか"リベンジ"を果たしたいところだろうが、ここは冷静になって競馬だけに大きな事故になる前に陣営はコンビ解消を検討すべきだろう。
馬も人も生き物である以上、相性の悪いものは仕方がないのかもしれない。

http://biz-journal.jp/gj/2017/07/post_3857.html