1998年長野冬季五輪でボブスレー・リュージュ会場となった「スパイラル」。長野市は多額の維持管理費や利用者数の少なさから、
平昌五輪後の来年度以降は製氷を休止、競技場として利用しない方針を決めた。老朽化や人口減少を背景に公共施設の運営
見直しを迫られる市の姿は、2020年東京五輪・パラリンピックにも教訓を残す。

「20年間、地元の協力を得ながら運営してきた。休止は断腸の思い」。方針決定に際し加藤久雄市長は4月、こう語った。
施設存廃の検討段階では、周辺住民や競技団体から運営継続の要望も出ていた。

 老朽箇所の改修を含む維持管理費は年間約2億2000万円。市の試算では、来年度以降も継続した場合、市の負担額は
10年間で最大約31億2000万円。冷凍設備の更新も必要になる。

 また、国内のそり競技人口は約150人。スパイラルの15年度の利用者数は、見学者を含めても約6300人にとどまった。
市内にある他の長野五輪施設5カ所の利用者数は年間約13万〜44万人で突出して少ない。14年度の市の外部監査は
「市民に利用されていない施設(の維持費)を市民の税金で負担することは特に考慮すべきだ」と指摘。存廃検討のきっかけとなった。

http://www.jiji.com/jc/article?k=2017071700205&;g=soc