高校通算103本塁打を引っさげて、“最後の夏”を迎えた早実・清宮幸太郎(18)。

甲子園を目指して西東京予選に臨む一方、すでにその後の進路についても注目が集まっている。
「高校卒業後即プロ入り」か、「早大へ進学」か―本人も頭を悩ませているのではないか。

相談相手に一番ふさわしい人物はこの人だろう。早実の大先輩である北海道日本ハムの斎藤佑樹(29)だ。

斎藤が夏の甲子園で優勝し、「ハンカチ王子」フィーバーを巻き起こしたのは11年前。
ドラフト1位間違いなしと言われながらも卒業後すぐにはプロへ進まず、早大へ進学。
4年間で2度の大学日本一に貢献し、東京六大学野球史上6人目の30勝300奪三振もマークした。

だが、ドラフト1位で日本ハムに入団してからは7年でわずか15勝。
高校時代のライバル田中将大(28・ヤンキース)の大活躍とは対照的で、
「斎藤は大学を経由してダメになってしまった」と見る球界関係者も少なくない。

お節介ながらも、清宮に“進路指導”してもらうために、現在二軍暮らしの斎藤を訪ねた。

7月1日の西武戦、5イニングを1安打無失点と快投した斎藤を試合後に直撃し、
「清宮の進路について……」と声をかけると、「えっ!? 僕の話を聞きにきたんじゃないの?」とガッカリした表情に。

それでも、かわいい後輩のため、自身の体験談を交えつつ答えてくれた。

「いま本人は甲子園に出場することで頭がいっぱいだと思いますよ。その後、ゆっくり考えればいい。
進学するのか、プロに行くかは分かりませんけど、本人が選んだ答えが正解だと思います」

──斎藤投手は大学に進学したことに後悔はない?

「甲子園ではたまたま結果が出ましたけど、すぐにプロで通用するような選手だと自分では思っていなかったので、
大学に進みたいという思いが強かった。早大野球部の仲間と出会えたことは人生において大きな財産ですし、後悔はしていない。

確かに、大学に進まずプロ入りしていれば、もっと活躍できていたと言われることも多いです。
でも、人生はやり直せるわけじゃないんで。周りがあーだこーだ言う話ではないと思います」

清宮にも「後悔なき決断」を望みたい。

※週刊ポスト2017年7月21・28日号
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170710-00000010-pseven-spo