部員1人、監督とガチンコで練習 連合チームで初戦突破
2017年6月27日21時53分
http://www.asahi.com/sp/koshien/articles/ASK6W6H7RK6WUTQP021.html

 夕張など4校が参加する連合チームの一つ、奈井江商には部員が1人しかいない。投手兼遊撃手の山本拓那(3年)は入部から最後の夏まで、ずっと1人。「最初は誰か入ってくれるかなと思ってましたけど……。でも、1人でも野球はできるので」

 練習は林亨監督(36)と常に1対1だった。林監督は同じ空知地区の強豪、滝川西の出身。高校3年生のときは北北海道大会決勝で敗れ、甲子園にあと一歩、届かなかった。だから、野球への思いはかなり熱い。

 「2人で結構ガチンコでやっているので、それを見て他の生徒が『ひいた』かもしれませんね」と林監督。天候が悪い日や寒い日は、投手板から本塁までの距離にあたる18・44メートルが取れる部室のなかで、投球練習したこともある。

 奈井江商は情報処理科のみ、各学年1クラスの小規模校だ。9人そろって単独チームで出場できる可能性は限りなく低い。それどころか、今後、部員が入ってくる保証もない。奈井江商のある奈井江町には中学校が一つあるが、山本が卒業した年を最後に、人数不足のため野球部は休部になっている。