TOKYO FMの番組「クロノス」。6月28日(水)の放送では、2017年上半期のニュース報道について、慶應義塾大学大学院教授の岸博幸さんに話を伺いました。

2017年上半期に特に報道が加熱していたのは森友学園問題と加計学園問題、そして共謀罪の3つだと話す岸さん。そして、そこでのマスメディアの報道姿勢について、
「一般の人から見て面白い切り口ばかりになっている。森友も加計学園も、そこから反省すべき点はあるのにそういった大事な点があまり報道されなかったと思います。
共謀罪についても『共謀罪は危ない』といった報道ばかりで、本来は共謀罪の代わりにどういったものが必要かといった議論があまりなく、(その半面)
この前の豊田議員の発言など面白いものがたくさん報道されてしまう。この半年で一番感じたのは、今までにも増してマスメディアの報道の質がワイドショー的になり、
レベルが下がってしまったと思います」と問題点を指摘します。

また、東京都の市場移転問題では、メディアが小池都知事に利用されたと持論を展開。「はっきり言って利用されたと思います。小池さんが豊洲問題で方向性を決めたり、
会見をやったのは国会が閉会した後なんです。彼女は国会が閉会してニュースが減ると自分の話題が取り上げられるというのを意識してやっているはずです。
それにマスメディアが乗せられてどうすると。個人的には、豊洲問題はもっと前の段階で決まっていてしかるべきだと思います。

決断が遅くなったことで税金が保証費用で無駄に使われていて、それもしっかり批判されないのはおかしいと思います。
観る側も疑って観る必要があり、報道する側も『利用されない』という意識を持たないと。報道が軽くなっていくのが心配です」と話していました。

http://www.excite.co.jp/News/column_g/20170628/TokyoFm_l5N3d4EChU.html
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