<明治安田生命J1:柏1−0浦和>◇第14節◇4日◇柏

 柏レイソルがリーグ最速となる10勝目を8連勝で飾り、首位を守った。日本代表に初選出されたGK中村航輔(22)が好セーブを連発。PKでも失点を許さず、リーグ最多得点の浦和レッズ攻撃陣を1−0で完封した。8連勝は延長戦勝利を除くと同一シーズンでは96年以来、21年ぶりのクラブタイ記録となった。

 柏に勢いをもたらしたのは、中村のスーパーセーブだった。前半37分、浦和DF森脇が放った、ゴール左隅への鋭いミドルシュートを横っ跳びで止めた。最後方から声を張り上げてチームを鼓舞すると、前半ロスタイム、中川の決勝点が生まれた。試合終了後、サポーターに促されて、拡声器を手に観客席前で「連勝していきましょう、カンパーイ」と音頭を取って歓声を浴びた。

 PKでも失点を許さなかった。後半4分、DF中谷のハンドで同点のピンチを迎えた。キッカーは興梠。中村は「何とか止めようと最善を尽くした。スカウティング(研究)もしていたし、リオ五輪でも一緒だったので」と、心理戦では優位と自らに言い聞かせた。相手が蹴る前に仕掛けたフェイントに、1度は逆方向に重心を傾けたが、すぐに正反対へと飛んだ。そんな反応の速さも影響したのか、駆け引きを仕掛けてきたはずの興梠がシュートを枠外へと外した。

 森脇を含め、浦和に4本の枠内シュートを浴びた。前半24分にFW李のヘディングを抑えると、後半14分にMF関根、同28分には興梠に至近距離から打たれたが、間合いを詰めて好セーブを連発。「どの試合も苦しい時間帯はある。そこを耐えられれば良い結果が出せる」。勝利へと導く活躍を見せた。

 リオ五輪ほか各年代で代表入りした実力は折り紙付きだ。趣味の将棋で培った観察眼、予測する能力がサッカーにも生きている。この日は代表から漏れた浦和GK西川との対決も注目されたが、勢いを結果で示した。

 代表GK陣では3番手の位置付け。だが「チームとして結果を出すために戦っていきたい」と、今日5日から参加する代表では、練習から正GK川島にも挑戦する姿勢だ。欠点を問われても「ないと言いたい」と強気に話す中村が、代表でも存在感を発揮するかもしれない。【高田文太】

 ▼柏の連勝記録 柏が4月16日の第7節神戸戦からリーグ戦8連勝。同一シーズンに8連勝以上は、96年の12連勝、00年の8連勝に次いでクラブ17年ぶり3度目。

過去2度は延長戦のあった時代で、その星取りの内訳(○=90分勝ち、□=延長勝ち)は、96年が□○○○○○○○○□○□、00年が○○○○□○○○。

つまり、今回のように同一シーズンに90分試合で8連勝は、96年の8連勝と並ぶクラブ最長タイ。96年は最終的に年間5位、2ステージ制だった00年は年間3位も年間勝ち点では1位。

日刊スポーツ 6/5(月) 8:05配信 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170605-01835176-nksports-socc

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