アイドルグループKAT−TUNの元メンバー、田中聖(こうき)(31)容疑者が、警視庁渋谷署に大麻取締法違反(所持)の現行犯で逮捕されたのは、数々の薬物事件の舞台となった東京都渋谷区の道玄坂だった。“問題児”の逮捕で芸能界の薬物汚染の実態が明るみに出れば、芋づる式に逮捕者が出る可能性もある。

 渋谷署は5月26日午前、田中容疑者を送検。本格的な捜査に入る。

 先月24日午後6時ごろ、渋谷区円山町の道玄坂付近で、警察官が速度を上げた田中容疑者の車両を不審に思い、停止を求めて職務質問。車内から乾燥大麻や吸引用の巻き紙が見つかった。

 周辺では以前から田中容疑者の不審な姿が目撃されていた。KAT−TUNがCDデビューを果たした2006年ごろ、同容疑者をみかけたという男性が振り返る。

 「道玄坂を下った『109』のあたりで変装もせずにぶらついていた。そのため、すぐにファンの女の子にバレていたが、声をかけられてもうつろな表情で『あぁ…あぁ…』と。はたから見ていても様子がおかしかった。くわえたばこをしながら駅の方に歩いていた」

 道玄坂では有名人の薬物がらみの騒動が尽きない。06年にはセカンドバッグに乾燥大麻7・1グラムを隠し持っていたNHKディレクターの男▽09年には大麻成分を含んだ巻きたばこ1本を所持していたカナダ国籍の男性歌手と英国籍の女性歌手▽09年には職務質問で覚醒剤所持が発覚した女優の元夫▽13年には合成麻薬使用の疑いで男性歌手−が逮捕された。

 元近畿厚生局麻薬取締部捜査第一課長の高濱良次氏は「20年以上前、道玄坂は不良外国人が若者向けに薬物を密売する拠点だった。いまは暴力団関係者ではない素人がネットを使って売人を始めるようになってしまった。薬物に対する規範意識が薄い者が、いまだに薬物目的で集まってくるのではないか。一時、脱法ハーブの店がはやったのもその表れといえる」と話す。

 田中容疑者は女性問題や、無断で副業に手を出すなどの「ルール違反」で13年にジャニーズ事務所を解雇されたが、芸能活動は続けており、交友関係も広い。

 「過去の非行歴が話題になった女性タレントAや、素行の悪さで知られるモデルBなど、ひと癖ある女性とのつながりも噂される」(テレビ局関係者)

 芸能界を震え上がらせる薬物禍、再びか。

夕刊フジ 6/1(木) 16:56配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170601-00000008-ykf-ent