0001フォーエバー ★2020/04/26(日) 20:54:45.53ID:Z1qjjvO79
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMの特別番組「村上RADIO」。4月26日(日)の放送は「村上RADIO〜言語交換ソングズ」と題して、原曲とは異なる言語で歌われた名曲たちを村上さんが紹介します。村上さんが選んだ「原曲とは異なる言語で歌われている楽曲」を、翻訳家でもある村上さんならではのユニークな解説で楽しめる55分間です。本記事では、村上さんからのコメントと前半1曲についてお話しされた概要を紹介します。
<村上春樹さんからのメッセージ>
いま世の中は大変なことになっています。そのために仕事がなくなり、あるいは仕事ができなくなり、厳しい状況におかれている方も多くおられると思います。僕も昔、7年くらい飲食店を経営していました。だからローンを抱え、高い家賃を払って、従業員に給料を払い、それでいて何ヵ月も店を開けられない、先行きもわからないというのが、どのくらいつらいことか、身に沁みてわかります。こんなときに僕にできるのはどんなことだろうと、日々考え込んでしまいます。音楽や小説みたいなものが、ほんのわずかでもみなさんの心の慰めになればいいのですが。
* * *
<オープニング曲>
◆Wild Bill Davis「The Madison Time」
こんばんは、村上春樹です。
「村上RADIO」、今日はちょっとテーマソングが違いますけど、ワイルド・ビル・デイヴィス(Wild Bill Davis)のオルガンで聴いてもらっています。いつもと感じが違いますよね。
これはかなり古いレコードです。ジャケットの裏に踊り方のステップが描いてあって、さっき僕もちょっと踊ってみたんだけど、なかなかいいですよ、Madison Timeのダンス。わりと簡単なんです。ぜひやってみるといいと思います。
今日は「言語交換ソングズ」という特集です。日本の歌手が外国語の歌を日本語で歌う、外国の歌手が日本語の歌を外国語で歌う。そういうなかから興味深いもの、素敵なものを選んでみました。
僕は翻訳の仕事をしているので、昔から言語の交換性・互換性みたいなものにすごく興味があります。歌詞の言語が変わると、音楽自体の印象もずいぶん変化します。面白い効果が生まれ、これまでにはなかった魅力が見えてくることもあります。今夜はそういう“イクスチェンジ(交換)”をまとめて楽しんでいただければと思います。けっこう変なものもかかりますよ。
◆Timothy B.Schmit「One Big Wave」
◆Jeffrey Foskett「Fish」
まずは日本のポップスの両巨頭、というべきか、サザンオールスターズの桑田佳祐さんと山下達郎さんの曲からいきます。桑田佳祐さんの「忘れられたBig Wave」を元イーグルスのオリジナル・メンバー、ティモシー・B・シュミット(Timothy B.Schmit)が歌います。英語題は「One Big Wave」。
それから山下達郎さんの「踊ろよ、フィッシュ」をジェフリー・フォスケット(Jeffrey Foskett)が歌います。英語題は「Fish」。ジェフリー・フォスケットは自己名義でも何枚かアルバムを出していますが、ビーチ・ボーイズやブライアン・ウィルソンのバンドのメンバーとして、ステージではブライアンのファルセット部分を受け持っていた人ですね。ブライアンがもう高音部を歌えないので、代わりに歌っていたんだけど、その受け渡しが実にスムーズで、いつも感心していました。どちらの曲も英語で歌われてもぜんぜん違和感ありませんね。2曲続けて聴いてください。
最初この曲が山下達郎さんの曲だって知らなかったんです。でもクレジットを見たら「Tatsuro Yamashita」と書いてあって「えっ!」と思って。
(TOKYO FMの特別番組「村上RADIO」4月26日(日)放送「村上RADIO〜言語交換ソングズ」より)
4/26(日) 20:38配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-00010014-tokyofm-ent
<村上春樹さんからのメッセージ>
いま世の中は大変なことになっています。そのために仕事がなくなり、あるいは仕事ができなくなり、厳しい状況におかれている方も多くおられると思います。僕も昔、7年くらい飲食店を経営していました。だからローンを抱え、高い家賃を払って、従業員に給料を払い、それでいて何ヵ月も店を開けられない、先行きもわからないというのが、どのくらいつらいことか、身に沁みてわかります。こんなときに僕にできるのはどんなことだろうと、日々考え込んでしまいます。音楽や小説みたいなものが、ほんのわずかでもみなさんの心の慰めになればいいのですが。
* * *
<オープニング曲>
◆Wild Bill Davis「The Madison Time」
こんばんは、村上春樹です。
「村上RADIO」、今日はちょっとテーマソングが違いますけど、ワイルド・ビル・デイヴィス(Wild Bill Davis)のオルガンで聴いてもらっています。いつもと感じが違いますよね。
これはかなり古いレコードです。ジャケットの裏に踊り方のステップが描いてあって、さっき僕もちょっと踊ってみたんだけど、なかなかいいですよ、Madison Timeのダンス。わりと簡単なんです。ぜひやってみるといいと思います。
今日は「言語交換ソングズ」という特集です。日本の歌手が外国語の歌を日本語で歌う、外国の歌手が日本語の歌を外国語で歌う。そういうなかから興味深いもの、素敵なものを選んでみました。
僕は翻訳の仕事をしているので、昔から言語の交換性・互換性みたいなものにすごく興味があります。歌詞の言語が変わると、音楽自体の印象もずいぶん変化します。面白い効果が生まれ、これまでにはなかった魅力が見えてくることもあります。今夜はそういう“イクスチェンジ(交換)”をまとめて楽しんでいただければと思います。けっこう変なものもかかりますよ。
◆Timothy B.Schmit「One Big Wave」
◆Jeffrey Foskett「Fish」
まずは日本のポップスの両巨頭、というべきか、サザンオールスターズの桑田佳祐さんと山下達郎さんの曲からいきます。桑田佳祐さんの「忘れられたBig Wave」を元イーグルスのオリジナル・メンバー、ティモシー・B・シュミット(Timothy B.Schmit)が歌います。英語題は「One Big Wave」。
それから山下達郎さんの「踊ろよ、フィッシュ」をジェフリー・フォスケット(Jeffrey Foskett)が歌います。英語題は「Fish」。ジェフリー・フォスケットは自己名義でも何枚かアルバムを出していますが、ビーチ・ボーイズやブライアン・ウィルソンのバンドのメンバーとして、ステージではブライアンのファルセット部分を受け持っていた人ですね。ブライアンがもう高音部を歌えないので、代わりに歌っていたんだけど、その受け渡しが実にスムーズで、いつも感心していました。どちらの曲も英語で歌われてもぜんぜん違和感ありませんね。2曲続けて聴いてください。
最初この曲が山下達郎さんの曲だって知らなかったんです。でもクレジットを見たら「Tatsuro Yamashita」と書いてあって「えっ!」と思って。
(TOKYO FMの特別番組「村上RADIO」4月26日(日)放送「村上RADIO〜言語交換ソングズ」より)
4/26(日) 20:38配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200426-00010014-tokyofm-ent