0001りんがべる ★2017/11/27(月) 15:24:46.74ID:CAP_USER9
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/218159
個性派俳優として数々の映画やドラマで活躍中の大地康雄さん(65)。酒にまつわるエピソードには事欠かない。
◇ ◇ ◇
「課長、いました!」
「確保ー!!」
突然ですよ。怒鳴り声とともに、警官2人に両腕を取られたかと思ったら、有無も言わさず近くの交番に連れ込まれました。
もちろん私は何も悪いことはしてない。アルバイト先の歌舞伎町のバーに急ぎ足で向かってただけでね。
「何をするんだ!」と叫んだら、「犯人はおまえだろ? 観念しろ」と一喝され、ますます腕を締め上げられて。
長野で殺人事件があって「犯人は新宿方面に逃げた」と指令が出ていて、運悪く間違えられたんです。
「俺じゃねえよ」
「嘘をつくな! モンタージュ写真はおまえそっくりなんだよ」
こんな押し問答を小一時間。バイト先の店長を呼び、ようやく解放された時は結構な時間が経ってました。80年代のはじめ、30歳になってしばらくしてのことです。
なぜ間違えられたのかというと、人相が悪かったから(笑い)。なんせ、俳優にはなったものの、いただくのは悪役ばかり。それで普段の顔つきまで悪相になっていたんです。
その晩、バイトが終わってからヤケ酒をたんまり飲みました。途中から記憶をなくし、気がついたのは翌日の昼すぎ。
自宅にはいましたが、どうやって帰宅したのか覚えてない上に、強烈な二日酔い。二度とこんな飲み方はしないぞ! と思いましたねえ。
■居酒屋に入ると客がビビって逃げた
そして83年。主演ドラマ「深川通り魔殺人事件」が放送され、私を一躍、有名にしてくれました。
この作品は81年に発生した事件の実録で、あまりにも犯人をリアルに演じたため、放映したテレビ朝日に「服役中の犯人を出演させたのか」と問い合わせがくるほど反響がありました。
ところが、それからは飲み屋に行くとみんなビビるんですよ。
居酒屋に入れば、隣の席の女性グループが慌てて勘定して逃げ、地方の赤提灯では私の顔を見た途端に、カウンターの中にいたマスターとママさんが条件反射のようにしゃがんで隠れてしまう。ドラマの犯人と勘違いしてのことです。
おまけにインパクトが強すぎて、イメージが固定され、次の仕事が来ない。3年ほどまた食えなくなったんですから、世話がない。お酒は好きなのに苦い酒、まずい酒ばかりでした。
形勢逆転したのは87年に公開された伊丹十三監督の「マルサの女」。私は国税局査察官の宮本信子さん演じる主人公の同僚役です。ガサ入れの時に大活躍する正義の味方でした。
今度はひとりで飲んでいると社長然とした人がすり寄ってきて「いい節税法はありませんか」と高い酒をごちそうしてくれる。驚いたねえ。役柄によってこんなに見た人の態度が違うものかと(笑い)。
しかも「マルサ」以降は悪役以外で、どんどんオファーが来た。仕事の幅も広がり、途端に酒がおいしくなりました。3人で3升空けて記憶をなくしてしまったこともありましたが、仕事が順調だと酒が本当に楽しいものですよ。
ここ5年ほどは宮城の「浦霞」、なかでも純米吟醸酒「禅」をよく飲んでます。初めて味わったのは、絵本の読み聞かせを町ぐるみで行っている北海道剣淵町を舞台に私が企画・主演した映画「じんじん」のロケ中です。主人公・立石銀三郎は酒好きの大道芸人。ストーリーの中で宮城県松島町が登場し、隣町・塩釜市の「浦霞」を飲むシーンがあるんです。
−−続きはソースでご覧下さい−−
http://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/218/159/810c01ab15660248b51ed982cd99e67120171122122543766_262_262.jpg
自分で企画・主演した映画のロケ地・宮城で飲んだ「浦霞」が大好き/(C)日刊ゲンダイ
日刊ゲンダイ 2017年11月27日
個性派俳優として数々の映画やドラマで活躍中の大地康雄さん(65)。酒にまつわるエピソードには事欠かない。
◇ ◇ ◇
「課長、いました!」
「確保ー!!」
突然ですよ。怒鳴り声とともに、警官2人に両腕を取られたかと思ったら、有無も言わさず近くの交番に連れ込まれました。
もちろん私は何も悪いことはしてない。アルバイト先の歌舞伎町のバーに急ぎ足で向かってただけでね。
「何をするんだ!」と叫んだら、「犯人はおまえだろ? 観念しろ」と一喝され、ますます腕を締め上げられて。
長野で殺人事件があって「犯人は新宿方面に逃げた」と指令が出ていて、運悪く間違えられたんです。
「俺じゃねえよ」
「嘘をつくな! モンタージュ写真はおまえそっくりなんだよ」
こんな押し問答を小一時間。バイト先の店長を呼び、ようやく解放された時は結構な時間が経ってました。80年代のはじめ、30歳になってしばらくしてのことです。
なぜ間違えられたのかというと、人相が悪かったから(笑い)。なんせ、俳優にはなったものの、いただくのは悪役ばかり。それで普段の顔つきまで悪相になっていたんです。
その晩、バイトが終わってからヤケ酒をたんまり飲みました。途中から記憶をなくし、気がついたのは翌日の昼すぎ。
自宅にはいましたが、どうやって帰宅したのか覚えてない上に、強烈な二日酔い。二度とこんな飲み方はしないぞ! と思いましたねえ。
■居酒屋に入ると客がビビって逃げた
そして83年。主演ドラマ「深川通り魔殺人事件」が放送され、私を一躍、有名にしてくれました。
この作品は81年に発生した事件の実録で、あまりにも犯人をリアルに演じたため、放映したテレビ朝日に「服役中の犯人を出演させたのか」と問い合わせがくるほど反響がありました。
ところが、それからは飲み屋に行くとみんなビビるんですよ。
居酒屋に入れば、隣の席の女性グループが慌てて勘定して逃げ、地方の赤提灯では私の顔を見た途端に、カウンターの中にいたマスターとママさんが条件反射のようにしゃがんで隠れてしまう。ドラマの犯人と勘違いしてのことです。
おまけにインパクトが強すぎて、イメージが固定され、次の仕事が来ない。3年ほどまた食えなくなったんですから、世話がない。お酒は好きなのに苦い酒、まずい酒ばかりでした。
形勢逆転したのは87年に公開された伊丹十三監督の「マルサの女」。私は国税局査察官の宮本信子さん演じる主人公の同僚役です。ガサ入れの時に大活躍する正義の味方でした。
今度はひとりで飲んでいると社長然とした人がすり寄ってきて「いい節税法はありませんか」と高い酒をごちそうしてくれる。驚いたねえ。役柄によってこんなに見た人の態度が違うものかと(笑い)。
しかも「マルサ」以降は悪役以外で、どんどんオファーが来た。仕事の幅も広がり、途端に酒がおいしくなりました。3人で3升空けて記憶をなくしてしまったこともありましたが、仕事が順調だと酒が本当に楽しいものですよ。
ここ5年ほどは宮城の「浦霞」、なかでも純米吟醸酒「禅」をよく飲んでます。初めて味わったのは、絵本の読み聞かせを町ぐるみで行っている北海道剣淵町を舞台に私が企画・主演した映画「じんじん」のロケ中です。主人公・立石銀三郎は酒好きの大道芸人。ストーリーの中で宮城県松島町が登場し、隣町・塩釜市の「浦霞」を飲むシーンがあるんです。
−−続きはソースでご覧下さい−−
http://c799eb2b0cad47596bf7b1e050e83426.cdnext.stream.ne.jp/img/article/000/218/159/810c01ab15660248b51ed982cd99e67120171122122543766_262_262.jpg
自分で企画・主演した映画のロケ地・宮城で飲んだ「浦霞」が大好き/(C)日刊ゲンダイ
日刊ゲンダイ 2017年11月27日