戸籍上は男性でも女性だと自認しているトランスジェンダーの生徒を巡り、産経新聞が首都圏と近畿圏にある私立女子中学校・高校を対象に行ったアンケートは、LGBTなど性的少数者への理解増進法の成立を踏まえ、授業など指導の場面で生じた変化についても尋ねた。女子生徒だけの教育環境であっても、性の多様性を尊重する潮流を背景として、「女性らしさ」「お嬢さま」といったジェンダー(性差)を強調する表現が避けられる傾向が目立った。

「『女性らしく』『男性ならでは』など性差を強調するような発言には、十分に注意することを教職員に指導している」

東京都にある学校はこのように回答を寄せた。

校内での言葉遣いに配慮する学校は多く、光塩女子学院中等科・高等科(東京)は「女子校だからといって性自認が女性であるとは限らない」との認識から、家族や将来設計を教える際に「彼氏」「彼女」という言葉を使わず、「パートナー」と表現するように求めているという。

北豊島中学校・高校(同)は保護者に向けた生徒の呼称を「お嬢さま」から「お子さま」に。雙葉中学校・高校(同)も朝礼などで「女性」という代わりに「人」を使う。

宣真高校(大阪)も「女の子らしく」などの声かけをしないよう徹底。戸籍上は男性でも女性だと自認するトランスジェンダーの生徒の入学などを「検討中」と回答しており、すでに体育の授業などの更衣に生徒からの希望があれば、別室で着替えられるようにするハード面の配慮まで踏み込んでいた。

文部科学省は教員向けの手引書「生徒指導提要」を令和4年に改定。国公私立校を問わず、性的少数者の児童生徒への配慮を求めている。

https://www.sankei.com/article/20240210-BSRBGFB5LJIL3F27DJR7KF7ROU/