能登半島地震の発生からまもなく1カ月です。倒壊したビルの下敷きとなり妻と娘を亡くした男性が、倒壊した自宅で思い出の品を探していました。
倒壊した家屋から、何かを探す男性。楠健二(くすのき けんじ)さん55歳。探していたのは、犠牲となった妻と娘の形見です。
楠健二さん:
「一番ほしいのは時計。去年の誕生日に女房からもらったやつなんだよ。それと携帯だね。
写真があるじゃない。携帯って」
(1月2日撮影)楠健二さん:
「ずっと出してあげられていないんだよ、きのうから。女房が、埋められているんだよ」
妻の由香利さんと長女の珠蘭さんが長い間ビルの下敷きになり、楠さんは救出活動をずっと見守っていましたが、助かりませんでした。
楠健二さん:
「パパ水ちょうだい」って、何回もあげたよ。俺自体も気が動転してたから、まず誰かを呼ばなきゃいけないって頭しかなかったから。あとあと考えればいろんなことが出来たのかなと思うけど。本当に悔しい。だってこうなるんだよ。自分たちが住んでいる所が。想像つかないでしょ?」
この日、楠さんは倒壊した家屋からあるものを見つけました。
楠健二さん:
「これ、見つかって良かったよ。これは娘の成人式の、去年、前撮りしたときのやつ」
今月5日に二十歳になるはずだった珠蘭さんの写真でした。
楠健二さん:
「人柄、かわいくてかわいくてね。芸能人にしろって言ったんだけど」
「想い出ってあるじゃん。他人にはわからないやつがあるんだよね。どうしてもやっぱりそれを探したいんだよね」
楠健二さん:
「時計と携帯、その他もろもろだけど、できる限り持って帰りたいよね。携帯ですごく写真撮っているから。いつも。それが見つかれば昔を思い出せるかな」
「(時計の空き箱の)中身を探しているんだけどさ、やっぱりないんだよね。去年もらったのよ、誕生日に。それだけは見つけたい。ぜひみつけたいんだよね」
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/4673ca30b6ddb5f603d5602c5a363f34b4ad6937&preview=auto