<社説>陸自幹部靖国参拝 「誤解招く」では済まない

現在の自衛隊組織が過去の戦争にどう向き合ってきたか、厳しく問われる事態だ。なぜ、このようなことが起きたのか、検証が求められる。

 防衛省は、陸上自衛隊の小林弘樹陸上幕僚副長ら数十人が9日、靖国神社を集団で参拝したことを明らかにした。小林副長は時間休を取得し、公用車を使用した。全員が防衛省・自衛隊の内部からの参加で、いずれも私服で時間休などを取得していた。

<中略>

 憲法の規定を踏まえても、現在の自衛隊は組織として日本軍との連続性は否定されるべきである。戦前の軍国主義、戦争遂行を支え、正当化するための施設として機能した施設を自衛隊幹部らが集団で参拝することがいかに戦後日本の歩みから逸脱しているか、自覚すべきである。

 沖縄においては、沖縄戦を戦った32軍の首脳らを弔う黎明(れいめい)之塔に陸自隊員が集団で「慰霊の日」の早朝、制服で訪れたことに強い批判の声が出た。「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓に照らしても批判は当然である。

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