ドイツ経済、7−9月はマイナス成長−リセッション突入の恐れ

ドイツ経済は7−9月(第3四半期)に縮小した。欧州最大の経済大国である同国が再びリセッション(景気後退)に陥る恐れが高まっている。

  ドイツ連邦統計当局が30日発表した7−9月の国内総生産(GDP)速報値は前期比0.1%減。エコノミスト予想では0.2%減だった。家計の支出抑制が響いた。

  統計内容は昨冬のエネルギー高騰がもたらした不況からドイツが立ち直りきれていないことを浮き彫りにした。

  ブルームバーグ・エクノミクス(BE)のエコノミスト、マルティン・アデマー氏は「ドイツ経済は金利上昇や外需落ち込み、エネルギー価格の上昇によって低迷を続けている」と指摘。ただ、10月のIfo企業期待指数が半年ぶりに改善を示したことなどを挙げ、「見通しに対するリスクは引き続き下振れ方向に大きく傾いているが、年末にかけて経済活動が安定に向かうかもしれない初期の兆候が見られている」と述べた。

  S&Pグローバルによると、第4四半期に入っても民間部門の経済活動は縮小を続けている。

  インフレ減速と賃金上昇が消費者主導の景気回復をもたらすと期待されているが、最近のドイツ連邦銀行(中央銀行)の報告書によると、家計の支出はまだ増えていない。ブルームバーグが調査したアナリストらは、2024年のドイツ経済成長率をプラス0.5%と予想している。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-30/S3C42RT0G1KW01