大学の運動部員で相次ぐ違法薬物の事件。日大アメフト部では、寮から覚醒剤の成分が含まれた錠剤が見つかっていたことも分かった。大麻は、ほかの違法薬物に手を出すきっかけになる「ゲートウェイ(入り口)ドラッグ」になる危険性が指摘されている上、覚醒剤も以前より、交流サイト(SNS)などで手に入りやすくなっているという。警察当局は若者の薬物蔓延(まんえん)に警戒を強めている。(橘川玲奈、塔野岡剛)
警察庁によると、違法薬物全体の摘発人数は、近年横ばいで推移しているが、昨年は1万2142人と前年より減少した。大麻の摘発人数は平成26年以降増加し、令和3年には過去最高となる5482人を記録。昨年は減少に転じたが、その数は5342人と高止まりの傾向だ。このうち、7割を10~20代の若年層が占めている。
背景には、大麻は覚醒剤よりも「クスリ」というイメージが薄いことが挙げられる。SNSで「野菜」「草」などの隠語で検索、連絡を取ると密売サイトに誘導されるなどし、秘匿性の高いアプリで取引が行われる。
一方、覚醒剤の摘発人数は6124人で平成28年以降減少し続けているが、昨年1年間の税関による覚醒剤の摘発は前年の3・2倍となる300件だった。押収量は約567キロ(前年比44%減)で、乱用者の使用量で約1892万回分、末端価格で335億円に上る。
SNS、同調圧力…違法薬物若者に蔓延危惧
2023/8/3 20:34
https://www.sankei.com/article/20230803-SHZZUG57U5LYFI4JHWBBC7VJI4/