将棋駒の生産量日本一を誇る山形県天童市の舞鶴山山頂で15、16日、武者に扮(ふん)した市民らが駒役を務める春の風物詩「人間将棋」が開かれた。山形県内外から多くの将棋ファンが訪れ、プロ棋士による熱戦を楽しんだ。

 16日は稲葉陽八段(34)と中村太地八段(34)が参加し、名人戦のトップリーグ「A級順位戦」に所属する棋士同士の対局が初めて実現した。両棋士は公募で選ばれた駒役の計40人を指揮。軽快なトークで会場を沸かせつつ、約15メートル四方の盤内で接戦を繰り広げた。

 138手で勝利した稲葉八段は「自分らしい手も指せ、いい対局ができた。武者言葉での会話や、観客席の反応を通じ、人間将棋ならではの難しさや面白さを感じた」と語った。

 市などでつくる天童桜まつり実行委員会が主催。城壁ややぐらを模した舞台セットは今回、市制施行65周年に合わせて一新された。

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