「この国に失望した」若者が感じた“中国の現実”

「明らかに異常で、間違っていると思います」

強い言葉で怒りをあらわにするのは、ひとりの中国人の若者です。

路上で行われていた抗議活動を撮影しようとしたところ、その場で警察に拘束され、暴力も振るわれたのだといいます。

しかし、この若者のように、当局に対して異を唱える市民を見つけることは、今の中国では非常に難しくなっています。

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「この国に失望した」
警察に拘束されてから数か月。張さんが取材に応じてくれたのには、理由があるといいます。

「ゼロコロナ」政策で厳しい行動制限が課されただけでなく、抗議の声を上げただけで、国家権力によって身体を拘束されてしまう。

そんな今の中国の現実を、1人でも多くの人たちに知ってほしいからだといいます。

そして、中国のメディアは、張さんのような「声」自体を取り上げることは難しいので、海外メディアを通して伝えることで、自分たちの存在を「なかったこと」にしてほしくないというのが張さんの願いです。

「この国には失望しました。自分の身に起きたことに対して、本当に頭にきていますし、残念に思っています。それでも、抗議活動に参加したことは後悔していません。抗議活動は、非人道的な感染対策に対する、市民の不満が頂点に達したことから起きたのだと思います。そして、抗議活動によって中国政府は、市民が本当に求めていることを知ることになったと思います。そういう意味では、抗議活動には一定の効果があったはずです。今後、同じようなことが起きたなら、また、現場に駆けつけます」

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https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2023/03/13/29950.html