放送法「政治的公平」文書 サンデーモーニングで関口宏さんが批判
https://mainichi.jp/articles/20230312/k00/00m/040/055000c

放送法の「政治的公平」の解釈を巡り、第2次安倍晋三政権下の首相官邸と総務省の間のやりとりが
記された行政文書について、12日放送のTBSの「サンデーモーニング」で、司会の関口宏さんや
出演者が当時の政権の姿勢を批判した。総務省が一連の文書を7日に「行政文書」として認めたのを受け、
番組がこの問題を取り上げた。【デジタル報道センター】

12日の番組で、司会の関口さんは「当時の権力者たちが、メディアというものの解釈を
どこか間違っていたんじゃないかなという気が僕はしています」と発言した。

この日の番組に出演したジャーナリストの青木理さんは「時の政権幹部が報道を取り締まる必要があるという発想は、
憲法が禁じる検閲になる」と指摘した。また、「時の政権幹部がこういうことを言うということは、
いったい我々の社会に何をもたらすかということだけは、ちゃんと考えないといけない」と訴えた。

フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは「公権力を追及・批判・監視するメディアの存在は、
公権力者にとって不都合になり得る。問題は、不都合だとみなしたメディアを正せる立場にあると
思い込んでいる権力者側の認識そのものではないか」と述べた。

藪中三十二・元外務事務次官は「G7(主要7カ国)の中で、政府の政策についてクリティカル(批判的)な見方をするのが
メディアの役割と言われている。そういうグローバルスタンダードから見ても、ちょっとこれはいかがなものかと思う」と述べた。

田中優子・法政大名誉教授は、礒崎元首相補佐官が「コメンテーター全員が同じことを述べている」と指摘した点を取り上げ、
「コメンテーターは、それぞれ職業も経験も異なり、おっしゃることの角度や言葉、表現も違うはずだ」と反論した。
その上で「同じだという根拠は述べていないのにそう感じたということは、頭の中が『自分と同じ意見』『自分と違う意見』を
入れる二つの引き出しでできているからではないか。自分と違う意見は全部同じに聞こえるということではないか」と痛烈に批判した。