放送法の政治的公平性をめぐり、解釈変更に至ったプロセスが記された総務省の内部文書が表沙汰になって1週間あまり。事態は動いているのに、高市早苗経済安保担当相は強情を張り続け、居場所を失いつつある。

問題のペーパーを行政文書と認めた総務省は10日、調査状況を発表。発言記録があった総務省関係者など十数人に聞き取りをしたところ、当時の礒崎陽輔首相補佐官から政治的公平性に関する問い合わせがあったと説明したが、高市大臣や安倍元首相に関連する資料は内容の精査を続けるとした。

一方の高市大臣は、資料の一部の正確性が確認できないことについて、当時の総務相として「責任を感じている。大変申し訳ない」と閣議後の会見で謝罪。しかし、参院本会議では自身の名前が記された4文書について「正しい情報ではない」「大臣も議員も辞職すべきとは考えていない」と強気な姿勢を崩さなかった。

高市大臣が突っ張り続ければ、岸田首相も火ダルマになること必至だ。週明け13日の参院予算委員会では集中審議が実施され、岸田首相も一問一答形式の論戦に臨む。野党の追及にシドロモドロでは赤っ恥だ。

コトを荒立てる高市大臣に自民党内も冷ややかだ。安倍元首相という強力な後ろ盾を失い、“永田町ぼっち”と化している。

さらに、地元の奈良でも居場所を失いつつある。
「奈良県知事選(4月9日投開票)をめぐり、県連会長の高市大臣が総務相時代の秘書官を擁立。根回し不足で4期目の現職がヘソを曲げ、保守分裂の様相です。情勢調査では、日本維新の会が公認した新人がトップに立ち、元秘書官は数ポイントの差をつけられている。高市大臣に対する風当たりが強まる中、敗北を喫すれば責任問題に発展する。県連会長の辞任は免れない」

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