IOCに冬季五輪持ち回り開催案 実現なら札幌が有力候補地に?
https://news.yahoo.co.jp/articles/0569a7272e1218a68d4933f901a1cd6a3f290e48
近年の冬季五輪開催地と雪不足の現状
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国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、
冬季五輪の持ち回り開催論が浮上した。温暖化による気温上昇で、
開催できる都市が減少していることへの強い危機感が背景にあり、
IOCは開催地選定の抜本的な見直しを時間をかけて検討する方針だ。

特定の都市や地域に限定されるため、実現性を疑問視する声がある一方、
仮に実現すれば札幌は有力な候補地になるとの見方も出始めている。

IOCの将来開催地委員会は、温暖化による気候変動で信頼できる開催地が
減少する可能性を憂慮。持ち回りでの開催や、候補地の条件として
雪上競技の会場での平均最低気温が氷点下であることを1
0年以上証明する必要があると提案した。
時間をかけて同委員会で検討することを理由に、
札幌市が目指す2030年大会の開催地決定の時期も延期した。

かつてアルペンスキーで五輪に出場した、一般財団法人冬季産業再生機構
(東京)の皆川賢太郎代表理事は、今も世界各地を訪れている経験を通しながら警鐘を鳴らす。
「スキーを始めて30年の間にものすごく気候が変動している。
トレーニングできる場所もどんどんなくなっている」

ただ、実現のハードルは高い。IOCプレス専門部会元委員の竹内浩氏は、
持ち回り開催について「これから伸びていこうという新興国や、
未開催の都市を切り捨てることになり、民主的ではない。
五輪の理念もゆがんでしまう」と指摘する。五輪相経験者も「現実的ではない」と話した。

一方、持ち回り開催は、招致を巡る議論を変える可能性もある。
年間5メートル前後の降雪量がある札幌は、世界的に珍しい積雪地の大都市
。カナダ・ウォータールー大の研究では、温室効果ガスの排出を大幅に減らさない限り
、冬季五輪を過去に開いた計21都市で、人工雪に頼らずに開けるのは
2080年代に札幌だけになる。ある招致関係者は「札幌は絶対に候補から外れない」と見込む。