赤字が続く地方鉄道の今後のあり方が課題となるなか、JR東日本は利用が特に少ない66区間の昨年度の収支を公表しました。
全区間で総額670億円を超える赤字となっていて、地元自治体との間で、今後、バスへの転換なども含めて協議を進める方針です。

JR東日本によりますと、人口減少や新型コロナの影響で地方鉄道の利用が落ち込むなか、
一日平均何人を運んだかを示す「輸送密度」が2000人未満の利用が特に少ない区間は昨年度、36路線、72区間ありました。
このうち、2019年度も「輸送密度」が2000人未満だった35路線、66区間の昨年度の収支を24日公表しました。
発表によりますと、この66区間はすべて赤字となっていて、赤字額はあわせて679億円となっています。
経費の削減を進めたことで新型コロナの感染拡大前の2019年度と比べて、14億円程度赤字額は減ったものの、依然として大幅な赤字を抱える状況です。
区間別で赤字額が最も多いのは、羽越本線の新潟県の村上駅と山形県の鶴岡駅の区間で、昨年度の赤字額は49億9800万円となっています。
また、100円の運輸収入を得るためにいくらの費用がかかるかを示す「営業係数」は、
陸羽東線の宮城県の鳴子温泉駅と山形県の最上駅の区間が2万31円と最も採算が悪くなりました。
100円の収入のためにほぼ200倍の費用がかかっている計算です。
赤字が続く地方鉄道をめぐっては、国が今後のあり方や支援強化に向けた法改正などの検討を進めています。
JR東日本では利用が特に少ない区間を中心に自治体に対して収支状況などの説明を始めていて、
バスへの転換なども含めた持続的な地域交通について今後、協議を進める方針です。

JR東日本 昨年度66区間で670億超赤字に 収支を公表
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20221124/1000087024.html