博物館などで紙の資料を食べることから害虫とされる「シミ」について、国内ではこれまで報告が無かった種類が全国で相次いで見つかっていることが分かりました。従来の「シミ」より繁殖力が高いとみられ、専門家は、文化財などに被害が出るおそれがあるとして、対策が必要だとしています。

紙を食べる昆虫、「シミ」は、博物館などに保管されている古文書などを損傷させる害虫として知られています。

東京文化財研究所などのグループによりますとこの数年、国内の博物館などからこれまで知られていた種類とは異なる「シミ」が相次いで報告されたことから、DNA解析などを行ったところヨーロッパや中米などに生息する外来種とみられることが分かったということです。

この「シミ」は体長が1センチほどで色が白っぽいということで、グループでは、和名として「ニュウハクシミ」と名付けました。

グループによりますと少なくとも国内の7か所で確認され、1か所で100匹以上捕獲されたケースもあったということで、メスしか見つかっていないことなどからメスだけで繁殖できる可能性があるということです。

グループでは繁殖力が非常に高いため、従来の対策では十分ではない可能性があるとして全国の博物館などに注意を呼びかけています。

東京文化財研究所保存科学研究センターの佐藤嘉則室長は「北海道から九州まで全国的に見つかっていてどんどん被害が出てくる可能性がある。紙の資料の保管法について改めて検討が必要だ」と話していました。

(後略)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220923/k10013833001000.html