オデーサの集合住宅にミサイル、子供2人含む20人死亡…黒海の島奪還への報復か
【キーウ(キエフ)=深沢亮爾】ウクライナ大統領府などによると、ロシア軍が1日、南部オデーサの集合住宅などにミサイルを撃ち込み、子供2人を含む20人が死亡、約40人が負傷した。ミサイルは黒海の方向から発射されたとみられる。ウクライナ軍は前日に黒海西部の要衝ズミイヌイ(蛇)島を露軍から奪還しており、報復の可能性もある。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6月30日のビデオ演説で、ズミイヌイ島の奪還に関し、「黒海の状況を大きく変えるだろう」と述べ、自軍の兵士らをたたえた。「島の安全や、(露軍が)戻って来ないとの保証もない」と慎重な見方も示した。
ズミイヌイ島は、穀物の一大輸出拠点であるオデーサ沖にある約0・2平方キロ・メートルの小島だが、露軍が2月の侵略開始直後に制圧してからも双方が争奪戦を展開してきた。
露軍艦艇は黒海の封鎖を続けており、ズミイヌイ島の奪還がウクライナ産穀物の輸出再開に結びつくかどうかが焦点となる。ウクライナ軍が今後、最大射程約300キロ・メートルとされる「ネプチューン」など地対艦ミサイルを配備すれば、露軍にとって脅威となるとみられている。
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