北大西洋条約機構(NATO)は27日、即応部隊を30万人超の態勢に増強する計画を発表した。
イェンス・ストルテンベルグ事務総長は記者会見で、ロシアが欧州の安全保障を直接脅かしている
事態を受けての措置だと説明した。

即応部隊は現在4万人からなり、その多くはNATOの東端に配備されている。

で構成し、そのうち高機動部隊が2万人を数えるが、これを何倍もの規模に拡大する。
28日夕からマドリードで開く首脳会議で決定するという。

ストルテンベルグ事務総長は、東欧に展開するNATO戦闘群の一部を、兵数千人からなる「旅団規模」に
増強する方針を示した。これはロシアに対する明確な抑止の合図になると、事務総長は述べた。

「ロシア政府と(ウラジーミル)プーチン大統領は、我々の集団安全保障の仕組みを理解し、
NATO加盟国を攻撃するとどうなるかも理解していると、確信している」と、ストルテンベルグ氏は
記者会見で述べた。

NATO加盟国を攻撃すれば「同盟全体が反応することになる。そのメッセージを裏打ちするため、
NATOのプレゼンスを拡大する」と、事務総長は話した。

NATO即応部隊は、攻撃された時点で素早く対応するため、陸海空の兵力を組み合わせて作られた。
2014年に兵1万3000人で発足して以来、現在の4万人規模へと拡大してきた。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、即応部隊の多くは初めて「高度の即応態勢」に置かれた。
多国籍の戦闘群が現在、ロシアと国境を接するラトヴィア、エストニア、リトアニア、ポーランドなどに
展開している。さらに、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、スロヴァキアにも戦闘群を増派する計画もある。

ストルテンベルグ事務総長が発表した計画は、28日夕からマドリードで開かれるNATO首脳会議で
決定される見通し。
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