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 「温かい心遣いに感謝している。お礼を言いたい」。
鹿児島市電の車内で、見知らぬ乗客の吐しゃ物がかかった鹿児島市谷山地区の女子高校生(18)が、きれいに取り除いてくれた大学生の男女を捜している。

4月25日夜、アルバイトを終えた女子高生は天文館通電停で乗車。うたた寝をしていると、目の前に立っていた男性が吐き始めた。
恐怖と動揺で身動きがとれずにいると、隣に座っていた大学生の男女が身体を引き寄せてくれた。

 「いったん降りよう」。脇田電停で降り、2人はコンビニでタオルやウェットティッシュを買い、拭き取ってくれた。
「私たち大学生だから、時間は心配しなくていいよ」。
優しい言葉に涙が出そうになった。
「別の電停で降りる予定だったかもしれないのに、母親が来るまで一緒にいてくれ、本当に心強かった」

 市交通局によると電車はほぼ満員で、運転士は女子高生の被害に気付かなかったという。
乗客が嘔吐(おうと)した場合、新聞紙などを上からかぶせる応急処置や車両の切り替えを想定している。
「気分が悪くなった人や嘔吐した人がいた時はすぐに運転士に知らせてもらえたらありがたい」としている。

 女子高生の父親は「新型コロナウイルス感染の恐れがあるにも関わらず、親切にしてくれて本当に助かった。大学生にお礼を伝えたい」と話す。

夜の満員電車内で目の前の男性が嘔吐。汚れと恐怖で動けなかった私を助けてくれた大学生男女に「ありがとう」を伝えたい 鹿児島市の女子高生
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