文部科学省は31日、教員不足の実態に関する初めての全国調査結果を公表した。文科省によると、全国の公立小中高校・特別支援学校が今年度当初に配置された教員数は、各教育委員会が予定していた教員数に比べて2558人不足していた。全体の5・8%の1897校が該当する。教員の職場環境の厳しい実態が判明した。

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文科省は教員不足について、全国の公立学校で配置されている教員数が、臨時教員などが確保できなかったために各地の教委が配置を予定していた数に届かなかったケースと定義。調査は全都道府県・政令指定都市などの教委からの報告をもとに取りまとめた。

全国の公立小中高校・特別支援学校には約83万人の教員が配置されている。不足の内訳は小学校1218人、中学校868人、高校217人、特別支援学校255人。文科省は年度当初から約1カ月経過した昨年5月1日時点も調査し、不足は4・8%に当たる1591校で計2065人とやや改善していた。

各学校とも不足に対しては、少人数指導やチームティーチングのために確保していた教員を配置したほか、教頭などの管理職が担任を兼務することなどで対処。文科省では教員不足によって「授業が停滞するといった深刻な事態は把握していない」としている。

また文科省は31日、都道府県教育委員会などが令和2年度に実施した教員採用試験の競争率も公表。小学校の全国平均が2・6倍と前年度比0・1ポイント減で過去最低だったことが判明した。中学校の競争率は同0・7ポイント減の4・4倍、高校は同0・5ポイント増の6・6倍だった。

全国で教員不足2558人 文科省初調査
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2022/1/31 16:20 産経新聞