【ワシントンAFP=時事】米宇宙開発企業スペースXの使用済みの第2段ロケットが3月、月に衝突する見通しだ。
(写真は米フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる、深宇宙気候観測衛星「DSCOVR<ディスカバー>」
を搭載したスペースXのロケット。米航空宇宙局<NASA>提供)
ロケットは2015年、米航空宇宙局(NASA)の深宇宙気候観測衛星「DSCOVR(ディスカバー)」を宇宙に運ぶ際に使われた。
第2段ロケットの月への衝突コースを計算したのは、小惑星や宇宙物体の軌道を計算できるソフトウエア
「プロジェクト・プルート」を開発した天文学者のビル・グレイ氏。ソフトはNASAが出資する宇宙観測プログラムでも使われている。
第2段は使用済みとなった後、「カオス軌道」を漂ってきたが、今年1月に月にかなり近いところを通過した後、軌道を変えた。
グレイ氏はその1週間後に第2段を再観測。3月4日に時速9000キロ以上で月の裏側に衝突すると結論付けた。
アマチュア天文学者コミュニティーに観測への協力を呼び掛け、裏付けも取った。
衝突の時間と場所がグレイ氏の予想と多少ずれる可能性はあるが、3月4日に衝突するとの予測は広く支持されている。
グレイ氏は「約15年間宇宙ごみを追跡してきたが、意図的でない月への衝突は、今回が初めてだ」と語った。米国や
中国などによる宇宙開発で宇宙ごみが増えていることから、予期せぬ月への衝突も増える可能性があるという。
AFPはスペースXに問い合わせたが、期日までに回答は得られなかった。【翻訳編集AFPBBNews】
https://www.jiji.com/jc/article?k=20220128042560a&g=afp