【北京=三塚聖平】北京市当局は16日、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の感染者が15日に
市内で初確認されたことを受け、関係者のPCR検査など感染拡大阻止に向けた措置を進めた。来月4日に
北京冬季五輪開幕を控える中でのウイルス流入に、北京市は「一人も漏らしてはならない」と検査を徹底するよう
指示している。

当局は、感染者の行動履歴を細かく公表し、居住地や勤務先、立ち寄り先の商業施設などで計約1万3千人の
PCR検査を行った。感染者が確認された同市海淀区など市内の一部学校は、17日からの登校を取りやめるなど
防疫措置を強化している。

北京市トップの蔡奇(さいき)市共産党委員会書記は15日に対策会議を開催。オミクロン株の感染確認を受け、
感染源の特定やPCR検査を急ぐよう指示した。

中国は、わずかな感染拡大も許さない「ゼロコロナ」政策をとるが、オミクロン株の感染者は天津市や上海市、
遼寧省大連市などでも確認されている。

習近平政権の威信をかけた北京五輪の開催に影響を与えないようにするため、党関係者の間で緊張が高まっている。
https://www.sankei.com/article/20220116-JEGPZTDCIJMSRJPRHZKYIUPZ6M/