<阪神・淡路大震災27年インタビュー>斎藤知事、久元神戸市長

■創造的復興内外に強く発信 斎藤元彦兵庫県知事

 −知事就任から初めて震災の日を迎える。

 「震災当時は高校1年で愛媛県松山市の学校に通っていた。神戸市須磨区で暮らす家族は無事だったが、長田区で切り盛りしていたケミカルシューズ工場が半壊した。兵庫県民や神戸市民にとって1月17日は特別な日。犠牲者に思いをはせ、県のさらなる発展を誓う思いで迎えたい」

 −復興の今をどうみる。

 「防災対策のハード整備はかなり進んでいる。南海トラフ巨大地震を想定し、ソフト面の対策も充実させる。被災者が避難所で安心して過ごせる環境を整えたい。新型コロナウイルス禍にあり、感染症対策を徹底した避難所運営の仕組みづくりにも力を入れる」

 −神戸市は災害援護資金の未返済分を免除する。

 「県負担分の償還期限は2023年度末。被災者の高齢化などで返済が難しい事情はあると思うが、まだ県が何らかの判断を下す時期ではない。貸し付けと回収業務の主体は被災者が暮らす市になるため、(返済を巡る)各市の考えも大事だと考えている」

 −何を伝えるべきか。

 「震災の経験と教訓を風化させず、次世代に伝える。10月には『防災推進国民大会』(ぼうさいこくたい)が神戸市で開催される。大阪・関西万博が予定される25年は阪神・淡路30年の節目。兵庫県が唱えた創造的復興は、より良い社会を築く概念として国内外に普及している。あらためて強く発信していきたい」

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202201/0014981502.shtml