今月6日、大阪府堺市西区で無職の48歳男性がスーパー銭湯の女湯に女装して侵入した疑いで書類送検された。男性は去年9月、女装をして女湯に侵入。透明の防水フィルムを体に貼るなどして、堂々と入浴していたという。異変に気付いた女性客がフロントに「男性っぽいお客さんがいる」と通報したことで発覚。従業員に確保された。

 この男性、後日警察で行われた任意聴取にミニスカート姿で現れると「心は女」など主張するなどして、当初は自身がトランスジェンダーであることを装っていた。その後男性は「LGBTではない。女装が趣味。女湯に入り完成度を確認したかった」などと供述を変え「女装をしている自分に興奮する」とも話している。

類似ケースは続発している
 このようにトランスジェンダーを装う許しがたい行為がある一方、心と体の性別を巡っては難しい問題もある。

「戸籍上は男性だが、女性と認められている気がして女性用トイレに入った」

 銭湯に限らず、女子トイレの利用を巡る問題も起こっている。去年5月、大阪市内の女性用トイレに「性自認は女性のトランスジェンダー」という利用客が女装した状態で使用。他の女性利用客から「女性の服を着た男性がトイレを使っていて怖くて利用できない」と施設に苦情が入った。この苦情を受け、大阪府警は女装した利用客を建造物侵入の疑いで書類送検。警察が事情を聴いたところ「戸籍上は男性なのでダメだと分かっていたが、女性と認められている気がして女性用トイレに入った」と話したという。

 女装した利用客は普段、職場では男性として働いているが、休日は女性の服を着て外出していた。この利用客の男性は「戸籍上の性別は男性だが、心は女性のトランスジェンダー」と主張しているということだ。

 一連の出来事についてきらり法律事務所の中川みち子弁護士は「住居侵入の疑いということなので、正当な目的なくその場所に入ったということが疑われている。本人的にはトランスジェンダーだということで、女性の気持ちを持っているということだが、それを裏付けるもの。例えばトランスジェンダーという診断書であったり、性適合手術を受けているなどを裏付けるものが確認できなかったので、正当な目的ではなくて侵入したという風に判断されたのでは」との認識を示した。

 また中川弁護士は「自分が自認している性の通りに生活を送る権利というものはある。そういったものを尊重するべきだとは思う」としながらも「やっぱり公共のトイレということで、それを嫌がる方という、他の人の権利とぶつかってしまう。非常に難しい問題だと思う。警察としてもかなり判断に迷ったところはあったはず。今までに何度も通報があったということなので、動かざるを得なかった。送検されたからといって、この方が罪に問われるかどうかはわからない」と付け加えた。

(中略)

 そのことについても中川弁護士は「女性に戸籍を変えればいいのでは? という方もいるが、すべてが自由。戸籍を変えるのも、女性の気持ちだからって男性の服を着るのも自由。人ごとによって認識が違うので、裁判所など法的な問題になったときに判断が難しい」とした。

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