<社説>台湾有事日米共同作戦 「軍の暴走」は認められない

自衛隊と米軍が、台湾有事を想定して南西諸島に米軍の軍事拠点を設ける日米の新たな共同作戦計画の原案を策定したことが明らかになった。
年明けに開催が見込まれる日米安全保障協議委員会(2プラス2)で正式な計画への作業開始を合意する見通しという。南西諸島を戦場にする計画など、断じて認めることはできない。

住民はもとより国会も国民も無視して戦争準備を進めるこの事態は、「軍部暴走」の再来と言うべきではないか。自衛隊に対するシビリアン・コントロール(文民統制)を機能不全にさせる暴挙である。

米海兵隊は、小規模の部隊を敵ミサイルの射程圏内にある複数の離島に展開して攻撃拠点を確保し、味方艦艇の行動を支援する「遠征前方基地作戦(EABO)」を採用し、訓練を続けている。中国の高性能ミサイルに対抗するため従来の、敵の眼前に大規模部隊を強襲上陸させるという考え方を見直したのである。

<中略>

そもそも他国の戦争への介入は明らかな憲法違反であり、自国を戦場にする愚を犯してはならない。日本政府は、有事を起こさせない真剣な外交に全力を傾注すべきだ。

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1444952.html