新型コロナ「日本は感染激減」の不思議 過去のパンデミックでも突如収束の例

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■「複合効果」説

NHKによると、政府分科会の尾身茂会長は9月28日、以下のような理由を挙げている。

▽連休やお盆休みなど、感染拡大につながる要素が集中する時期が過ぎ、拡大の要素がなくなった。
▽医療が危機的な状態となったことが広く伝わって、危機感が共有された。
▽感染が広がりやすい夜間の繁華街の人出が減少した。
▽ワクチンの接種が進み、高齢者だけでなく若い世代でも感染が減少した。
▽気温や雨など、天候の影響があった。

各メディアの報道によると、今のところ考えられている理由は大別して二つある。

一つは、ウイルス本体から見て外的な要因によるもの。ワクチンの効果があった、緊急事態宣言や医療危機で人々の行動が抑制され、警戒感も高まり人流が減った、マスクの100%近い着用......。社会的・人為的な防御策が奏功した、というものだ。急減は、それらの「複合効果」によるとされることが多い。

日本はワクチン接種がやや遅れたが、夏の感染拡大期に接種が進んだ。ワクチンは接種後、しばらくの間は効果が高い。したがって、感染拡大期にちょうど抵抗力が強い人が増えた、との見方も指摘されている。

■ウイルスが自滅?

ただし、新規感染者が急減したのは、日本だけではない。インド、インドネシア、バングラデシュ、中南米などもピーク時と比べると大幅に減った。「週刊現代」によると、ケニアでも感染者数が激減している。国民のワクチン接種率が約3%であることを踏まえると、ワクチンの効果である可能性は極めて低い、と同誌は指摘する。

そこで、このところ注目されている理由が、もう一つある。デルタ株に内在する特性によるものではないか、という見方だ。一種の「内部原因」説だ。

朝日新聞によると、国内で広がったデルタ株はほぼ「AY.29」というタイプだ。海外ではほとんど検出されていない。アルファ株などよりも遺伝情報のエラーが多く、その結果として、ウイルスが自滅したのではないか、という趣旨の専門家の見方が紹介されている。ただし、まだ「サイエンスとしては弱い」とされ、専門家の間でも否定的な見方があるという。
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https://news.nifty.com/article/item/neta/12320-1352519/