【ニューヨーク時事】米中西部ミズーリ州で23日、3人を殺害したとして42年以上服役していた黒人男性が、冤罪(えんざい)を認められ、晴れて自由の身になった。

 米メディアが伝えた。男性は一貫して関与を否定していた。冤罪で服役していた期間としては、ミズーリ州で最長、全米でも最も長い例の一つだという。

 男性はケビン・ストリックランドさん(62)。1978年4月、カンザスシティーで20〜22歳の男女3人が銃殺される事件が発生し、逮捕された。アリバイを親族が証言したものの、79年に全員が白人で構成された陪審に50年間仮釈放なしの終身刑を言い渡された。

 だが、被害者の交際相手で現場に居合わせ、唯一の生き残りとして公判で証言した女性が、後に「警察に圧力をかけられた」として、ストリックランドさんの関与を認めた発言を撤回したいと周囲に協力を求め始めた。

 女性は2015年に亡くなったが、地元支援団体などの調査を受け、司法当局が再調査したところ、使用された凶器にストリックランドさんの指紋がなかったことなどが判明し、裁判所が23日、有罪を取り消した。

 裁判所の決定後、刑務所から出てきたストリックランドさんは、報道陣に「まだ信じられない」と述べた。ニューヨーク・タイムズ紙によると、そのまま母親の墓参りに行ったという。ストリックランドさんの母は今年8月、息子の解放を見ることなく亡くなった。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/1f598ca488e657604e0de57f84a9fa3b101599f1