戦後の帰還事業で北朝鮮に渡り、その後脱北して日本で暮らす男女5人が「人権を抑圧された」として、北朝鮮政府に5億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、東京地裁(五十嵐章裕裁判長)で開かれ、東京都に住む原告の川崎栄子さん(79)は尋問で「北朝鮮の宣伝で地上の楽園だと刷り込まれ、だまされた」と語った。

 原告側代理人によると、北朝鮮政府を相手取った訴訟は初めて。代理人を含めて北朝鮮側からの出廷はなく、訴えに対する認否の書面も提出されなかった。

 川崎さんは在日朝鮮人の両親の下、京都府で生まれ育った。17歳の時、単身で北朝鮮へ船で渡った。

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