新型コロナ“飲み薬”シオノギが年内申請目指す

新型コロナの“飲み薬”をめぐり、塩野義製薬は、7月末から始めた初期の治験で安全性が確認されたとして、27日から最終段階の治験に入りました。

軽症や無症状の患者に一日1回、5日間飲んでもらい、ウイルスが減少するかどうかなどを調べます。体内でウイルスが増えるのに必要な酵素をブロックすることで、増殖を抑え込む仕組みです。動物実験では、ウイルス量を速やかに低下させる効果を確認しています。
塩野義製薬・手代木功社長:「次の1〜3月くらいに、安心安全な経口薬を世の中にお届けできるかで(感染状況は)全然違うと思っていますので。政府や世論との対話になりますが、安全で有効であれば、お許し頂けないかと思っております」

ウイルスの増殖を抑制する効果があるため、軽症の早い時期に服用し、重症化を防ぐことが期待されます。今月27日から最終段階の治験をはじめました。約2100人の軽症・無症状の患者が対象。偽薬を含む、3つのグループに投与し、ウイルス量の減少などを調べるものです。

塩野義製薬によりますと、良い結果が得られれば、年内にも厚労省に承認申請することを目指しています。

このほかにも、世界では飲み薬の開発が進められています。そのなかでも、最先端を走るのは、アメリカのメルク社です。最終治験の結果が年内にも得られる見込みで、良い結果が出れば、年内にもアメリカで緊急使用許可の申請を出す見込みです。

このほか、アメリカのファイザーは、7月から最終治験を開始していて、年内にも治験の結果を公表する予定です。

スイスのロシュなどは、4月から最終治験を開始しています。年内にも治験の結果が得られる予定で、日本国内では来年にも承認申請を目指します。

このすべての治験に日本は参加しています。メルクとファイザーの治験に参加している、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は「医療ひっ迫の改善に大きな期待をしている」と話しています。また、重症化の予防や濃厚接触者への予防投与で感染拡大を防ぐことができるため、「飲み薬が実用化されれば、新型コロナ感染症の脅威が薄れる」と話しています

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