「リポD」が宇宙開発を支援? 大正製薬の応援マーケティングとは
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/casestudy/00012/00723/

小惑星探査機「はやぶさ2」をラベルに描いたリポビタンDが限定発売。その他にも、宇宙関連の学会やイベントで無料配布したり、特別仕様の宣伝カーで関連企業を回ったりするなど、大正製薬は日本の宇宙開発を全力でサポートしている。

なぜ、リポビタンDで“宇宙開発”を応援するのか。その背景には20年前から地道に続けてきたラグビー日本代表へのサポートがあった。

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地球から2億8000万キロメートルの宇宙空間にある小惑星リュウグウで様々なミッションを行った探査機「はやぶさ2」。大正製薬は、その勇姿をラベルに描いた「リポビタンD 小惑星探査機『はやぶさ2』応援ボトル」を2020年10月に本数限定で発売した。「ファイト イッパーツ!」でおなじみのリポビタンDが、なぜ宇宙開発を応援するのか。きっかけは16年前に遡る。

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05年11月、初代「はやぶさ」が小惑星イトカワに2回目のタッチダウンを試みようとする頃、探査機や管制室の様子をほぼリアルタイムに伝えるJAXA(宇宙航空研究開発機構)の「はやぶさ」管制Liveブログが注目を集めていた。「現在、イトカワ中心との距離は約1200メートルです」。イトカワと探査機の残り距離のほか、緊張する管制室やブログ執筆スペースの様子が刻々とネットにアップされる。その写真の端に小さく写り込んでいたのが、JAXAのスタッフが飲み干したリポビタンDの空き瓶だった。

 写真の空き瓶は時間とともに増えていき、雑然としたデスクの上でリポビタンDの空き箱をキーボードの台にするスタッフの姿も。リポビタンDのこうした存在感は、はやぶさの歴史的瞬間を見守る国内外のインターネットユーザーの間でも話題になった。それに気付いた大正製薬の広報担当者が「ぜひ力になりたい」とリポビタンDをJAXAに差し入れたことが、同社が宇宙開発を応援する最初のきっかけになったという。