オリンピックの影響は?
ーー4つの仮説を提示していただきましたが、オリンピックの影響で外出しなかったという指摘についてはどう考えますか? 先生はずっとオリンピックの中止を訴えていました。

東京都医学総合研究所社会健康医学研究センターの西田淳志先生の分析したデータが示していますが、4連休が終わった時は繁華街の夜間の滞留人口が減りました。その後は横ばいです。

どちらかというとオリンピック後半期は、「人流」と言われたものを見れば増加しました。

接触とか夜間の繁華街でハイリスクの行動を取ることに関して言えば、オリンピックの影響はほぼなかった、つまり、明らかな増加も減少もなかった、と思います。

減ったということもなければ、途中から人流が増えてもいる。滞留人口は変わっていないので、あとは、バブルや定期的検査がきちんと実行されていたか、五輪中の接触の変化が日本での影響に流行を及ぼしたか。オリンピックの影響を人流以外で示していくことが必要だと思います。

元からスタジアムの中での伝播の可能性は低いことはわかっていました。運営上は、全国民の移動率や接触率が急上昇せずに終わっていることは確かです。

だから主な影響として疑いなく言えるのは、心理的インパクトだと思います。心理的インパクトは数値化するのが困難ですが、他の点については、いくつかの分析はしていますので、より詳細な分析は今後研究として報告します。



デルタ株にオリンピック、お盆や連休......それでもなぜ感染者は減った?西浦博さんが4つの仮説を検証
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc28f102f9aecbdf1ac268bad5d3db65c2c06d23?page=5