母子2人が死亡するなどした東京・池袋の暴走事故で、2日に禁錮5年(求刑禁錮7年)の実刑判決を受けた飯塚幸三被告は当時87歳。判決が認定した事故の原因は、アクセルとブレーキの踏み間違いだった。

警察庁によると、アクセルとブレーキの踏み間違いによる人身事故は過去5年(2016〜20年)で2万1103件発生し、248件が死亡事故につながっている。

このうち、運転手が75歳以上だったのは人身事故が4146件、死亡事故が141件。それぞれの事故全体に占める割合は75歳未満と比べて高くなっており、警察庁は、高齢による認知機能の衰えなどが事故につながっているとみている。

こうした事故で原因を特定しやすくするため、国土交通省が搭載の義務化を検討しているのが「イベント・データ・レコーダー(EDR)」だ。
事故前後の運転操作の内容を記録する装置で、9月下旬に道路運送車両法に基づく保安基準を改正し、早ければ来年7月以降の新型車から適用される。

飯塚被告の車にも事故時の車両データが残されており、判決は、ブレーキが踏まれずアクセルが最大限まで踏み込まれていた記録などを踏まえて運転ミスを認定した。
16年に福岡市で10人を死傷させた暴走事故では、被告が「EDRの記録は正確ではない」とする無罪主張を福岡地裁が退けている。

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