パキスタン北西部カイバル・パクトゥンクワ州で14日午前8時ごろ、中国人ら30人以上が乗ったバスが爆発し、
地元警察によると、少なくとも13人が死亡、17人が負傷した。中国人らは、中国政府がパキスタンなどで
進める巨大経済圏構想「一帯一路」に関連する建設現場に向かう途中だったという。

 地元警察によると、爆発で死亡したのは、中国人の技術者やパキスタン人の警護要員ら。爆発の原因は
分かっていない。バスは険しい山道を上って、同州にある一帯一路のダム建設現場に向かっていたという。

 中国はパキスタンにとって、対インドで利害が一致する長年の友好国だ。中国の投融資に頼る
パキスタン政府に打撃を与えるため、中国権益を標的にする地元イスラム武装勢力の攻撃が続いている。
パキスタン政府は中国権益を重点警備しているが、攻撃を防ぎ切れていない。

 今年4月には、中国大使が滞在していたパキスタン南西部バルチスタン州の高級ホテルで爆発があり、
警官ら数人が死亡。パキスタンの反政府武装勢力「パキスタン・タリバーン運動(TTP)」が事件後、
犯行声明を出した。

 また、19年5月には中国人宿泊客が多い同州グワダルの高級ホテル、18年11月には南部カラチの
中国総領事館が襲撃された。両事件では、中国の進出に抗議する現地の独立派「バルチスタン解放軍(BLA)」が
犯行声明を出した。(バンコク=乗京真知)
https://www.asahi.com/articles/ASP7G5H8WP7GUHBI01W.html